在宅で「働きすぎな人」が実はやっていないこと いつの間にか起きてから寝るまで働いている
これを防ぐ方法は、仕事しすぎない文化をつくることだ。僕らの会社の推奨勤務時間は、週に40時間。それ以上働いても、誰にも褒められない。時にはスパートが必要なこともあるが、普段は長距離走を意識して働いたほうがいい。無理なペースで走っていると、かならずどこかで反動がくるからだ。
つい働きすぎてしまう人は、「1日分の仕事」という区切りをつくろう。1日の終わりにその日の作業を振り返り、「1日分の働きをしたか?」と考えてみるのだ。たいていはイエスと答えられると思う。プロジェクトはまだ終わっていなくても、たっぷり1日分は働いている。だから、すっきりした気持ちでその日の仕事を終えられる。
もしも答えがノーなら、その日は不調だったということだ。そんなときは無理に残業するよりも、いったん落ちついて「5つのなぜ」を考えてみるといい。なぜ仕事が進まなかったのか? それはなぜか? それはなぜか?と5回繰り返して問いつめるのだ。
仕事が進んだ日は、気分がいい。きちんと1日分の仕事が終えられたら、きっと次の日も同じペースで走り続けられる。そんなふうに自分のペースがつかめたら、後は自然にうまくいくものだ。
起きてから寝るまで仕事漬けよりも、そっちのほうがずっといい。
快適な環境をつくったほうがうまくいく
リモートワークの落とし穴②自宅にも快適さが必要
家で仕事をする場合、決まった席にいる必要はない。キッチンで仕事を始め、ソファで続きをやり、天気がよければ庭でひなたぼっこをしながら仕事を終わらせてもいい。
ただし、長期的にリモートワークをやりたいなら、人間工学的な視点を取り入れたほうがうまくいく。
要するに、快適な環境をつくるということだ。ちょうどいい高さの机、座りごこちのいいいす、大画面の高解像度ディスプレイ。ぜいたくに思えるかもしれないが、ケチって体を壊しては元も子もない。硬いいすで腰を痛めたり、安っぽいディスプレイで目を悪くしたりしたら、仕事を続けることが苦痛になる。
アクセンチュアでは、社員の81%が多かれ少なかれリモートで働いている。そのため、「プロフェッショナルのための人間工学」という社内講座を用意して、正しい知識を広める取り組みをしている。人間工学的にすぐれた製品をリストアップし、さらに人間工学の専門家による個別のアドバイスも取り入れているそうだ。
普通のオフィスでは、みんなと同じ机といすで我慢しなくてはいけない。でも家で働くなら、自分にぴったり合う環境をつくりあげることが可能だ。机といすでなくてもいい。僕らの同僚もいろんなスタイルで働いている。バランスボールに座ったり、立って仕事をしたり。
気分に応じて、いくつかの環境を使い分けるのもいいだろう。人の体は、1日8時間も同じ姿勢でい続けるようにはできていない。だから、場所や姿勢を時々変えたほうがいい。オフィスでは自席に縛られているかもしれないが、家なら自由に動き回れる。