「日本のどうぶつの森」に韓国人が大熱狂する訳 コロナ下でもソウルでは長蛇の列ができた

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ところが、日本製品の「あつ森」を買い実況を行ったことで「ゲームの宣伝を行ったも同然」という厳しい意見が多い。しかし、ユ・ミンソン側の主張は、当時番組上では「アイデア研究所長」という役どころで、番組のコーナーの司会を担当しただけであって「日本不買運動に意見した覚えはない」と主張している。しかし、批判を受けて彼のユーチューブチャンネルでは、今もすべての動画が非公開設定になったままだ。

不買運動より「あつ森」の方が盛り上がる?

こうした不買運動にまつわる騒ぎをよそに、Nintendo Switch本体のその後も売り上げは好調で、現在も売り切れ続出で買いたくても買えない状況が続いている。韓国のニュース報道によると、今年の子供の日のプレゼントでSwitchは1番人気だったそうだ。

このようなニュースを耳にすると、無条件で「日本企業=不買しよう」という運動はもう古いのかもしれないとさえ思える。各企業の信念に反対なら不買をして反対意見を示すのは個人の自由であり、れっきとした主張方法だ。

しかし、国籍などで一括りにして、その抗議運動を人にまで押し付ける単純すぎる考えは、これからの時代に合っていない気がする。今回の「あつ森」人気をきっかけに、個々を見て判断する考えが生まれ始めているのだと、思いたい。

 

ウォリックあずみ/映画配給コーディネーター
20歳で渡韓、2002年韓国ソウル芸術大学映画学科に入学。2005年から韓国の映画会社入社、2008年より映画バイヤーになる。2016年に帰国、2017年よりアメリカ・ワシントンDC在住。
「ニューズウィーク日本版」ウェブ編集部

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