ユーザーを詳しく見ていくと、年齢では50歳代が最も多く、男女比率は男性のほうが高く、過半数が子供のいない世帯とのこと。データで年齢層が高めなのは、子育てが終わった世代がC3のようなコンパクトモデルにシフトしていることが考えられる。
また、アンケートで趣味を聞くと「クルマ」という人も多く、次いで国内旅行、食事と続く。クルマであちこちを旅して、現地のおいしいものを食べることを楽しんでいる人が多いイメージだ。
ハイドロファンも納得の「PHC」サスペンション
ところで、シトロエンを頻繁に見かけるようになった要因には、実際に街を走る台数が増えたことに加えて、よりデザインが個性的になったことで、ひとたび目にすると強く印象に残るようになったことも、大きいように思える。
切れ長のLEDヘッドライトを採用したフロントマスクや、エアバンプと呼ばれる大きなサイドのプロテクター、カラフルなボディカラーは、街の中で異彩を放つ。
前出の中山氏は「C4カクタスから新デザイン言語の導入から始まり、第4世代C3の世界的な大ヒットにより、ブランドネームを再興させたことがあるのでは、と考えています」と言う。
また、シトロエンにとってもブランド100周年を迎えた2019年は、大きな節目になった。
グローバルでも過去の歴史や伝統(そして昔からのオーナーたち)に根ざしたコミュニケーションを強く意識してブランド展開を図った他、日本でも100周年記念ムックの発刊をはじめ、歴代シトロエンの展示やパレードラン、コンセプトカーの展示など、過去と現在、そして未来のシトロエンを訴求するイベントを毎月のように行っている。
その甲斐あって、以前は別世界という雰囲気だったオールドシトロエンファンにも、今のシトロエンを認めてもらえるようになったのも、大きな変化だという。
中でも、その一環で「PHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)」という独自の技術を採用した現行のC5エアクロスSUVの乗り味は、往年のハイドロ車オーナーからも高い評価を得ている。
ハイドロとは、オイルと窒素ガスによるハイドロニューマチックサスペンションのことで「魔法の絨毯のよう」と評されるオールドシトロエンの乗り心地の要となるメカニズムだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら