シトロエンを最近よく見かけるようになった訳 超個性派ならではの商品戦略とブランド戦略

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「以前はハイドロこそシトロエンで、『現行モデルはちょっと……』という方もいらっしゃいましたが、昨年以降、『今のシトロエンもありだよね』といっていただける機会が多くなりました」と、広報室PRマネジャーの森亨氏は話す。

掛け心地のいいシートもシトロエンの伝統(筆者撮影)

リリースにもシトロエンの歴史は「人々の“移動の自由”と“自由な移動”を支え、それをコンフォート(快適)なものにするための開発と探求の積み重ね」との旨が記されているとおり。

より柔らかい乗り心地と快適な居住空間をDNAとして追求してきたシトロエンは、いまや他の多くのブランドがアジリティ(機敏さ)やスポーティーさを訴求する中にあって、ますます独創性を発揮しているように思える。

5時間で完売した新型車「ベルランゴ」の存在

シトロエンがユニークなのは、クルマだけにとどまらない。

かねてからシトロエンオーナーやファンはイベントが好きなうえ、ディーラー店頭やイベントでも、見知らぬ同士がすぐに打ち解けて話をする風景がよく見受けられる。

さらには、プレミアムブランドではよくあるが、シトロエンは大衆ブランドながらヘリテイジを大切にするファンが非常に多いことも特徴で、その思いに応えるべく、新旧シトロエンファンがともに楽しめるようなイベントや施策を今後も随時、行っていくという。

ところで、シトロエンというと、過去には販売網やサービス網がネックであることをよく耳にしたものだが、常に改善を図っており、新規店舗や移転拡充店舗も年を追うごとに増加している。サービスを待つユーザーに向けた「シトロエンニスト・カフェ」と呼ぶスペースを用意するなど、新しい試みも始まっている。

またたく間に完売した「ベルランゴ デビューエディション」(写真:グループPSAジャパン)

そんなシトロエンの日本における最新モデルは、マルチパーパスワゴンの「ベルランゴ」だ。

このベルランゴの導入にあたってはオンライン予約が実際されたのだが、それなりの台数が用意されたにもかかわらず、わずか5時間で完売に。それを受けて急きょ実施された2回目の予約も、5時間半で終了となったというから驚きである。

シトロエンが絶好調に見える背景には、いろいろな「理由」があったわけだ。

岡本 幸一郎 モータージャーナリスト

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おかもと こういちろう / Koichiro Okamoto

1968年、富山県生まれ。大学卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の編集記者を経て、フリーランスのモータージャーナリストとして独立。軽自動車から高級輸入車まで、国内外のカテゴリーを問わず幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでも25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに有益な情報を発信することを身上としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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