確かに普通のアパレルだと、家賃は売り上げの10%近くかかるテナントも多い。だからこちらが「3%を切る家賃で」と条件を出すと、今まではモール側もあきれて話を持ってこなかった。ところがコロナの後、声がかかるようになった。
今、モールからのオファーがすごいんですよ。それで昨日と今日は5カ所くらいモールを見てきた。やはり(コロナの影響もあり)テナントが撤退して売り場が空くと困るのだろう。
――しかし、3密を回避する向きもあり、モール自体の集客力の低下も懸念されます。モールへの出店はリスクになりませんか。
うちは全部自分たちの力で集客するから、モールの集客力は必要ない。何を買うか決めてモールに来る人は減っているけど、ワークマンに来る人はほとんどが目的買い。
「ららぽーと立川立飛」(東京都立川市)にワークマンプラスの1号店を出店したときも、うちの店でららぽーとのカードを使った人はすごく少なかった。これまでららぽーとに来なかったお客さんをうちが引き込んだ、と見ている。
ワークマンの路面店は店が汚れているところもあるけれど、モールはきれいですよね。モールに出るのは売り上げなんかよりも、「きれいな店をお客さんに見せたい」という目的が大きい。
路面店から一般客を吸い上げたい
――広告塔のような役割ですね。
それを路面店と同じ採算でやる。(モールの店舗はフランチャイズではなく)直営店になるけど、当社にモールの店舗の運営ノウハウは(社内に蓄積する)必要はないから、委託会社に任せる。
あと、モールに出ることで路面店から一般客を吸い上げたい。路面店では、プロ客の駐車は10分ぐらいだが、一般客は(滞在時間が長くて)30分駐車する。そうすると駐車場が混んでしまい、プロ客が逃げてしまうこともあった。そうならないために、一般客を路面店から吸い上げる目的もモール出店にはある。
――現在、モールへの出店は10店程度ですが、例えばモール店が店舗全体の半分くらいになるまで増やすのですか?
そこまでやったら危険。今回みたいなこと(外的要因で休業や大幅な客数減を余儀なくされること)になる可能性もある。せいぜい全体の10%までとか、そういう制限は付けようと思う。
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