あのワークマンがコロナ禍でつかんだ自信 快進撃の立役者である土屋哲雄専務を直撃

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――外出自粛ムードが高まった3月、ワークマンでもアウトドア用品がよく売れたと聞きました。

それが意外にも、緊急事態宣言明けの5月後半以降に売れたのは、アウトドア用品ではなくてスポーツウェアだった。スポーツ志向が非常に強くなっている。

――確かに、ジョギングや散歩などで着用する衣類の需要が高まっているように見えます。

当社では「ワークマン○○」という新業態を構想中だったが、今はその中でも「ワークマンスポーツ」を優先すべきかなと思っている。レギンス、短パン、Tシャツといった商品は、すでに山ほどあるから。あと考えているのは「ワークマンレディース」や「ワークマンシューズ」あたりだ。

2020年3月、営業時間帯によって看板が切り替わる新業態「W'sコンセプトストア」を、さいたま市に開業した(撮影:尾形文繁)

靴は作業靴だと100種類以上、一般向けだとおよそ30種類を展開しており、毎年売り上げが2倍の伸びを見せている。最近話題になったナイキの厚底シューズのような高反発機能を持つスニーカーを1900円で売り出したら、大人気商品になった。

ワークマンの店舗は従来、100坪程度の広さだったので、それぞれの商品に十分な売り場面積を割けなかった。だから作業着と靴、作業着と女性商品、作業着とスポーツウェアと、フォーマットを変えて出店していけないかと構想している。

店舗数は1000店舗を目指す予定だったのを(現状約870店舗)、新しいフォーマットを作れば2000店舗までいけるのではと思っている。

モールからの出店依頼が急増

――ワークマンはリアル店舗のうち9割超が路面店です。今後も路面店中心の出店になるのでしょうか?

既存の店舗は今、来店客が増えて駐車場がいっぱいになっているので、「店舗の広さが100坪」+「10台分のスペースがある駐車場」という従来のフォーマットから、「120坪で20台」、あるいは「150坪で50台」と店舗フォーマットの拡張を検討している。

大型店化、大型駐車場化を進めていき、あとはショッピングモール・SCで条件が折り合うところにどんどん出ていくつもりだ。モールで路面店と同じような採算が確保できるのならば、積極的に出ようと考えている。

路面店の売り上げに対する家賃負担率は、償却費などを含めて3%が目標。うちは粗利益率が35%で、そのうち4割を加盟店に配分するから、その分、固定費を低く抑えることが重要になる。

だから、モールも売り上げに対して3%の家賃という条件に合えば出る。

――そんな好条件、モールで可能ですか?

それが、ありうるんですよ。

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