セブン&アイが頭を悩ます「お荷物事業」の行方

見えぬ次の成長柱、グループ再編待ったなし

ROEは、効率的に資産を使っているかを示す「総資産回転率」と収益性を測る「売上高純利益率」、負債の活用度を表す「財務レバレッジ」の3つに分解できる。イオンは財務レバレッジがセブン&アイHDよりも高い一方で、総資産回転率は0.77回、純利益率は0.3%にとどまる。これに対し、セブン&アイHDはそれぞれ1.1回、3.2%とイオンを上回っており、これがROEの差につながっている。

セブン&アイHDの資産効率が良いのは、過去に実施したリストラが寄与しているためだ。そごう・西武では不採算店の撤退だけでなく、2017年にはそごう神戸店(兵庫県神戸市)と西武高槻店(大阪府高槻市)の2店舗を、阪急阪神百貨店を展開するエイチ・ツー・オーリテイリングに譲渡した。

高い利益率を支えるセブン‐イレブン

イトーヨーカ堂も2016年10月に、2016年2月期末に182あった店舗網を2021年2月期末に142まで減らす計画を掲げた。北海道の釧路や岡山県など地方店を中心に整理を進め、2020年2月期末までに30店舗を閉鎖している。

高い利益率を支えるのは、業界首位を走り続ける国内のセブン-イレブンだ。2020年2月期の業績は、売上高に当たる営業総収入が8876億円(前期比1.6%増)、営業利益が2539億円(同3.6%増)。営業利益率は28.6%(2019年2月期実績28%)にのぼる。

セブン-イレブンはロイヤルティー(経営指導料)として、加盟店の売上高から売上原価を引いた売上総利益の一部を徴収している。加盟店が店舗従業員の人件費などを負担する仕組みのため、既存店がプラスを維持し、店舗数が右肩上がりなら、本部側は安定した利益率を確保できる構図になっている。

また、同業他社と比べてもセブン‐イレブンの売上総利益率は32.1%と、ファミリーマートの30.8%、ローソンの31.3%よりも高い。全国2万884店(5月末時点)という圧倒的な店舗網を持ち、他社よりも好条件での仕入れが可能になっていることが利益率を押し上げている。

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