依存症に「なりやすい人」「なりづらい人」の差 「連ちゃんパパ」をダメ人間と笑えない理由

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アルコール依存症の場合、依存症者の約3人に1人が依存症の親持ち、依存症の子どもの4人に1人はアルコール依存になるといわれます。双子研究によると、アルコール依存の発症に遺伝要因が占める割合はおよそ2分の1から3分の2と推定されています。

ギャンブル依存症においても、遺伝の関係性は指摘されています。アメリカのミズーリ大学の研究によると、家系にギャンブル依存症患者がいる場合、19%がギャンブル依存症予備軍。いない場合の発症率は5%なので、家族歴はギャンブル依存症を4倍にする、という結果が出ています。

具体的な遺伝子もすでに見つかっています。同じくミズーリ大学のギャンブル行動と人のゲノムDNAの塩基(SNP)との関係を調べた研究によると、rs11060736というSNPで「C」という遺伝子を持っているほど、ギャンブルにハマりやすい、という結果が出たそうです。

CC型(Cを2つ持つタイプ)はギャンブルに「最もハマりやすい人」で、その割合は5.2%。CT型(Cを1つ持つタイプ)の「ややハマりやすい人」は35.1%。TT型(Cを待たないタイプ)の「ハマりにくい人」は59.8%となっています。

依存リスク高める「脆弱性遺伝子」という爆弾

つまり、20人に1人はギャンブルにドハマりしやすく、3人に1人はハマりやすい遺伝を持っているということです。

ギャンブルにハマりやすい遺伝子を持っている人が、たまたまパチンコで大当たりを出して、その快感を知ってしまうと、そこから「パチンコ依存症」の蟻地獄に転落してしまう可能性が高いわけです。そして、1度転落してしまうと、そう簡単に元の状態には戻れません。

研究によれば、依存症の発病には「環境」や「性格」よりも、「遺伝」が圧倒的に重要であると考えられています。依存症には、複数の「脆弱性遺伝子」が関わっていて、それらを多く持っている人、または多く遺伝子が発現している人ほど依存症になりやすい、依存症を発病するという仮説が有力です。

「脆弱性遺伝子」というと難しく聞こえますが、わかりやすくいうと病気を発病させる「爆弾」のようなものです。ギャンブル依存の「爆弾」を持っている人が、たまたまパチンコをして「面白い!」と思うと、その爆弾が爆発してし、依存症に陥ってしまうわけです。

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