会社選びで「社風」より重要なたった1つのこと 「どの会社で働くかが大事」という大ウソ
仕事でのエンゲージメントに関して19カ国で調査を行うと、ほぼすべての仕事が「チームワーク」であることが判明しました。
従業員数150名以上の企業では、回答者の82%がチームで仕事をしており、72%が複数のチームで働いていました。従業員数20名以下の中小企業でも、回答者の68%がチームで仕事をしていると答えました。
そして、「チームで仕事をしている」と答えた人は、それ以外の回答者に比べてエンゲージメントが高い確率が2.3倍との結果が出ています。しかし、このチームは「組織図」に記されているような公式のものばかりではありません。ほとんどの仕事は、組織図の「箱」の中では行われていないのです。
事実、「チームで仕事をしている」と答えた人のうち、65%が複数のチームで働いていると答え、かつそのチームは組織図に記載されていないと回答しました。それゆえ、会社は社内に存在するチームの数を把握することさえ難しく、トップダウン式に状況が改善される期待値は非常に低いでしょう。
「会社資料」に踊る嘘
会社案内やパンフレットでは、大抵その会社の「文化」や「風土」が強調されています。そして、私たちはそれに対して違和感を抱きません。なぜなのでしょうか?
なぜなら、これらはあなたを会社に引きれるために作られた記号だから。
あなたはどの会社で働くかは気にかけていなくても、どの会社に入るかは気にしています。そのため、この種の記号は、ある特定の種類の人材が重視しそうな物事を強調し、そうした人材を引きつけるために作られているのです。
フォローし合う文化が定着している、服装規定がなく自由……こういった記号がやたらと登場し、各種の会社ランキングで目を引くのは、企業が意図的にそうなるように仕向けているからです。
これは、いうなればヒト版のクジャクの羽飾り。なので、パンフレットでこうした類の文言を目にしたときは、「美しい羽飾りの存在目的は、ほぼあなたを引きつけるためにある」ということと、その魅力が時間とともに色あせていくことを忘れないでほしいと思います。
個人の離職に影響する「チーム」とは、いったいどんな存在なのでしょうか? チームには、物事をわかりやすくする性質があります。チームのおかげで、仕事が現実のものになるのです。仕事内容という点でも、一緒に仕事をする仲間という点でも、チームは日々の仕事をリアルなものにしてくれます。
今度転職先を探すときには、会社の文化が優れているかどうかを機にする必要はありません。そんなことは、誰にもわからないのですから。その代わり、その企業がよいチームを作るためにどんな努力をしているのかを考えたほうが得策です。
少なくともその努力を怠らない環境で働けることは、あなたにとって「悪い会社」ではないはずです。身近な同僚やランチする仲間といったローカルな経験のほうが、あなたの会社人生においてずっと重要なのですから。
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