危険運転多発「ウーバー配達員」の呆れた言い分 「事故が増えて当たり前の教育」と専門家指摘
前出の疋田さんは、一部の運転マナーの悪さについて、「配達員に若い人が多いことが問題をさらに大きくしている」と指摘する。
「首都圏を中心に昨今の若い人は、車に乗らないし、車を持たない。そもそも免許の取得率がかなり落ちました。そうなると、交通ルールを学ぶ場がなくなってしまいます。その彼らがいきなり自転車に乗り“急いで運ばなくちゃ”“これを運んで○○○円”“あと1時間以内に○件やらないと目標の○○○円にならないぞ”とやっているわけです。
こうして急いで荷物を運ぶわけですから周囲が目に入っていません。そこに交通ルールを知らないという事情が加わるわけですから、事故が増えるのは当たり前です。
そして、彼らの多くは “自転車に乗ったことがあるというだけの自転車の素人”。見ているとわかりますが、彼らが乗るのは電動アシストのママチャリばかりで、乗車フォームも洗練されていない。総じて自転車運転がヘタです」(疋田さん)
“安全な自転車運転”について教育を
ウーバーイーツでは、2018年8月に配達員の死亡事故が起きた。それ以降、警視庁は運営会社であるウーバー・ジャパンに「交通安全を徹底するよう申し入れてきた」と、通信社のニュースでも報じられている。
「ウーバーイーツは、こういうビジネスを続けるつもりなら、配達員にきちんと教育をすべきです。教育をしないで“それぞれが個人事業主だ。だから自己責任だ”といって公道に放り出すのは許されません。
なぜなら、その公道というものはわれわれみんなが税金で作り、みんなでルールを守って使おうという前提の元に供された公(おおやけ)のものだからです。公のものを使うには義務と責任が生じます。その責任を果たさないのであれば公道を使わないでいただきたいと思います。
ウーバーイーツは対人・対物の補償は以前からありましたが、少し前まで配達員本人の事故については、あくまで自己責任として補償すらありませんでした。しかし、ここの部分は昨年10月に改善され“配達中に限り上限25万円”ではあるものの、医療費が出るようになりました。
このあたりは大きな進歩であると認めるべきでしょう。であるなら、もう一歩進めて“安全な自転車運転”について教育もしてはどうかと思うのです」(疋田さん)
日本では新たなサービスやシステムは、保守的な人を中心とした批判の声が集まりやすく、普及に時間がかかるが、マナーを守れなくては普及も信用もない。配達員は自分の好きな時間に働くことができ、飲食店は人件費を抑えつつ販路を拡大することができる。サービスとしては非常に便利なものであるはずだ。ウーバーには徹底した対応を望みたい。
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