コロナ禍で「テレビ復権」が進んだ決定的証拠 データから探るメディアの「ニューノーマル」

拡大
縮小

パソコンも、3月下旬から数字を大きく伸ばし始め、4月27日週の平日に135に到達。以降も120以上が続いている。コロナ拡大前はモバイル全盛だったが、在宅率が高まり、特に在宅利用されやすいテレビとパソコンで増加が見られた。

情報収集をするなら、まとまった情報を得られるテレビ、能動的な情報収集が可能なパソコン、即時性が高く多様な情報が流れてくるモバイルを使い分け、自宅での自分時間を楽しむのにも、動画は大画面のパソコン、個人で楽しむゲームはモバイルと使い分けるなど、デバイス利用の棲み分けがあらためて鮮明になった。

ゴールデンタイムが1時間前倒し

総接触時間だけでなく、時間帯にも大きな変化が生じていた。

「新型コロナ拡大初期」と「ゴールデンウィーク以降」の平日の時間帯別接触率(1日当たり)を比較すると、モバイルは在宅の増加により移動時間利用が減り、「6~8時台」で3.2〜5.5ポイント、「21~24時台」で1.3〜4.3ポイント減少している。

一方、テレビは、平日の通勤時間帯の「8~9時台」で2.7〜4.1ポイント、「18~20時台」で3.3〜5.0ポイント、また昼休みの時間の「12~13時台」で4.7〜5.4ポイント伸長している。

通常「ゴールデンタイム」と呼ばれるのは19~22時だが、18時台の接触率が4.4ポイントほど伸長。ゴールデンタイムが前倒しした格好となった。

生活者の行動変化の影響により、メディア接触も変化していることから、今までとは違うターゲットが広告や番組を視聴していることも推察できる。ウィズコロナ、新しい生活様式が続くことを想定するならば、メディアプランや番組づくりを見直す必要もあるかもしれない。

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