コロナ禍で「テレビ復権」が進んだ決定的証拠 データから探るメディアの「ニューノーマル」

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緊急事態宣言からゴールデンウィーク後まで約1カ月の巣ごもりが続くと、生活者は「ゲーム」(土日祝日:13分増)、「有料定額配信」(土日祝日:11分増)、「動画」(平日:3分増)、「マンガ」(平日:10分増)などで、自宅での時間をじっくり楽しむ工夫を始めた(カッコ内の数値はモバイルアプリ接触者当たり接触時間)。

接触率(平日・1日当たり)はモバイルで2.1%、パソコンで0.7%とまだ低いが、接触時間(パソコンで26分増)が伸びたコンテンツの1つは「radiko」である。一般的にラジオはクルマの中で聞く機会が多いメディアであるが、コロナ禍に際しては在宅で仕事や家事をしながらラジオを聴く習慣が復活しそうな動きがある。

また、Web会議サービス「Zoom」も平日のパソコンでの接触率(2.1ポイント増)・利用時間(8分増)が高くなった。ビジネスをきっかけに同サービスを使い始めた人が多いと思われるが、プライベートでも「オンライン飲み会」などで活用しているようだ。

生活者はおうち時間を楽しむために、オンラインを活用し、いろいろな工夫をしようとしている。コロナ禍で少しずつ見え始めた新しい兆しをキャッチする必要がある。

メディアのニューノーマルをとらえる

コロナ禍によって生活が変わり、結果としてメディア接触が変化したことを確認できた。巣ごもりの中で生活者の行動・意識は、以下の4つの方向に集約されてきた。

(1)在宅率増加により、生活者の「デバイスの使い方」が変わる
 ・テレビ・パソコンの接触時間増加
 ・テレビ・パソコンの特性が見直され、モバイルも含めたデバイスの使い分けが鮮明になる
(2)移動時間減少により、生活者の「メディア接触時間帯」が変わる
 ・ゴールデンタイムが1時間前倒しになる
 ・食事時間のテレビ接触増加
 ・通勤の減少・分散によりモバイル利用の山がなだらかになる
(3)生活者のコンテンツに対する「評価の軸」が変わる
 ・ドラマ再放送など、過去のコンテンツが再評価される。
(4)「生活の楽しみ方」が変わる
 ・オンラインでの工夫、おうち時間を楽しむ工夫にチャレンジする生活者が多くなる

これらのニーズをとらえ、ウィズコロナを見据えることが、今後のビジネスを展開していくうえで重要になりそうだ。

田窪 和也 インテージ コミュニケーション事業本部 グループリーダー

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たくぼ かずや / Kazuya Takubo

デルフィスで約10年、自動車のマーケティングプランニング及びPDCA調査業務を担当。2015年にインテージに入社し、「コミュニケーションプラン」「カスタマージャーニー」「ターゲット・メディアプロファイリング」「広告効果測定」など、コミュニケーション領域における分析業務に従事

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