もっとも、新型コロナウイルスによって、世界経済は一変。死者数ナンバー1のアメリカなどは、20%近い失業率に陥っている。5月は回復傾向にあるものの、世界中どこでも今回の新型コロナウイルスでは失業率は当然ながら跳ね上がっている。
ところが、日本では相変わらずで、総務省が発表した4月の失業率は前月比0.1%増の2.6%にとどまっている。ブルームバーグも指摘しているが、日本では休業者を失業率に含めないために低くなっており、休業者を全部失業者とすれば11%程度になるそうだ。
ここは少し脱線するかもしれないが失業率で民度の度合いを測る前に、日本の統計の在り方を議論すべきかもしれない。新型コロナウイルスの感染者数や死者数もそうだが、どうも現在の日本政府には数字を少なく見せるテクニックがあるようだ。たとえば、交通事故死亡者数という数字も、日本の場合は24時間以内に死亡した人のみがカウントされる。最近は、30日以内死者数として発表されるようになっているが、かつては交通事故死としてはカウントされなかった時代もあった。
では、安定した生活を送るための「賃金」はどうなのか。世界の最低賃金ランキングで見てみよう。OECDの2018年のランキングでは次のようになる。
1.オーストラリア……12.1ドル(時給、以下同)
2.ルクセンブルク……11.8ドル
3.フランス……11.5ドル
4.ドイツ……10.9ドル
5.オランダ、ベルギー……10.4ドル
11.日本……8.1ドル(2017年)
(出所:OECD)
最低賃金だけでは、その国の豊かさはなかなか計り知れないが、世界の「年収ランキング」を見ると、その国の豊かさがわかるかもしれない。OECDの「平均年収ランキング(2018年)」で見てみると、日本はOECD加盟国35カ国中19位。日本より低い国の中には、韓国(20位)、スペイン(21位)、イタリア(22位)といった国があるものの、先進国の中では高くない。
平均年収でも、胸を張って他の先進国に民度が低いと言えるレベルではないということだ。
日本はハラスメント大国?
<パワハラ発生率>
雇用環境を考えたときに忘れてならないのが、パワハラやセクハラがあるような職場が多いか、少ないかだ。パワハラの多少でその国の民度がわかる、とも言われる。たとえば「この5年間に、職場の上司や同僚から、いじめや身体的・精神的な攻撃といったハラスメント(いやがらせ)を受けたことがあるか」というアンケートに対して、日本はワースト4位にランクされている。
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