サンリオピューロランド「値下げ」の裏 4月から料金を1100円も引き下げ。その狙いとは?

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値下げ以外の変更も

横並びで比べると、SPLの値下げは際立つ。だが、したたかな変更もある。

たとえば、これまで無料だった子供の年齢を3歳以下から2歳以下に引き下げた(3~17歳の平日料金2500円)。また、09年の20周年記念で導入して以来、延長してきた1万5000円の年間パスポート発行をこの4月から廃止。SPLにとって年間パスで集客効果は見込めるが、来園頻度の高い客からの料金収入が限られ、客単価が上がりにくい要因になっていた。

客側から見るとこれは不評だ。毎週末、6歳の息子とSPLに来ている女性は、「(年間パスの新規発行がなくなり)期限が切れる来年はオークションで安いのを買えたときしか来られなくなる」と話す。ショーのダンサー目当てに毎週2~3回訪れるという40代の主婦は、「なぜ年間パスをやめたのかわからない。値上げしてでも続けてほしかった」と困惑ぎみだった。年間パス廃止は、常連客の足取りに影響が出かねない、大きな変更点といえそうだ。

ほかにも、旅行代理店やコンビニなど自社外で展開してきた割引チケットの販売を3月末で終了している。一方で、サンリオのグッズショップでは特別割引チケット(3000円)の販売を続ける。「ビジネスの根底にあるのはグッズを中心とした物販」(広報)であり、チケットの販路を限定することで、客との接点をサンリオグループ内に集約する狙いだろう。

客数増加と採算改善に向け、さまざまな施策を講じているSPL。利益貢献するファン獲得拠点の脱皮に向け、今回の大胆な料金改定が大きなカギを握ることは間違いない。

週刊東洋経済2014年4月19日号〈14日発売〉核心リポート03

鈴木 良英 東洋経済 記者

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すずき よしひで / Yoshihide Suzuki

『週刊東洋経済』編集部記者

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