「自由に働きたい」と夢見る人に欠けている視点 満員電車で通勤したくない、上司の会話が嫌

✎ 1〜 ✎ 217 ✎ 218 ✎ 219 ✎ 最新
拡大
縮小

自由になるためには、まず自由になるベースである自分自身を高めることが必須ですから、そのための努力の期間はどうしても必要です。

それがないことにはそもそも他人に認められることはありませんから、まずは自分個人としての価値を確立することから始めましょう。

現在やっていることが意味のないように見えるから何もしない──。これでは何も変わりませんし、現状が変わらないということは未来を変えられない、ということです。

自分自身の未来を変えるべく、現状を変える。ここが最初のステップであり、まずはやるべきことです。どの分野で自分は勝負したいか、どの分野なら勝負できるのか、そこから考えてみましょう。

そのうえで具体的な行動に移し、その分野では圧倒的な知識と経験を身に付けるという気概で勝負をかけないといけません。

他人に認められる、というプロセスを経てのみ、ある程度の自由を謳歌できるというものです。

ちなみに、自由が何でもかんでも素晴らしいか、というとそんなことはなく、自由であるがゆえに責任も大きく伴うのだ、ということをぜひ忘れないようにしましょう。

「自由」は圧倒的な努力と工夫のうえで成り立つ

仕事における自由度の拡充は、責任が大きくなることの裏返しです。その責任を全うするべく、自分自身の知識と経験の引き出しを誰よりも多くする努力を継続するとともに、高い倫理観を維持する必要があります。

周りを批判したりダラダラと生活をする生き方が、高い倫理観を形成したり高いレベルでの経験やスキルを身に付けることに寄与するとは到底思えません。

したがって、まずはその考え方や人生や仕事と対峙するうえでの志を変えるべきです。

周りと同じレベルの仕事や努力では到底自由や自己の裁量が伴うポジションにはたどり着けません。まずはそのことを強烈に認識したうえで、生まれ変わるつもりで自分自身を高めていきましょう。

誰もが自由を手に入れたいと思いますが、実現するのは困難ですし、実際に実現している人は非常に少ないでしょう。

なぜならば、自由を手に入れるための努力や工夫を放棄してしまっている人が多いからです。

拙著『極端のすすめ』などにも書きましたが、私自身もそのような考え方のもと、概ね35歳くらいまでは遊びや趣味に見向きもせず仕事と勉強に打ち込んだものです。

その過程で文字どおり血を吐いて倒れたりといろいろと経験をしてきましたが、少なくともそういった経験を土壌として現在の自分自身があることは確かです。

将来の自由を手に入れるために、現在の不自由をものともせずにいられるか。まずは自分自身にそれを問いましょう。

圧倒的な努力と工夫のうえに自由は成り立つものです。行動なくして自由なし、です。

まずは大五郎さんの現在の生き方や仕事に対する志を変え、将来の自由をつかむべく、自分は今何をするべきなのか。それを自分自身に問うてみましょう。

現在の自分自身を変え、将来を変えるための第一歩を大五郎さんが踏み出すであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT