孤独死したコロナ患者の部屋に見た過酷な孤立

誰にも助けを求められず命を落とし長期間放置

特殊清掃業者としても、コロナ禍によって孤独死現場と向き合うのはそれ相応の準備と覚悟が必要になる。亡くなった人が陽性者だった可能性もあり、相応の感染症対策が要求されるからだ。特殊清掃業者である上東丙唆祥(じょうとう・ひさよし)氏は、先日、コロナ疑いの孤独死現場の清掃を行った。

「例えば部屋で亡くなり、死ぬ寸前に故人がテーブルに手をついて、時間を空けずそのままお部屋に入ると、われわれも感染リスクが上がります。だから、コロナを想定して入る必要があるのです。日本にコロナが上陸して、日々感染者数が上下していますが、コロナに感染しながらも誰にも知られずに亡くなる方もいらっしゃるはずです。そういう人は、よほどのことがないと表に出てこないと思っています」

孤独死の現場でコロナ陽性が隠されている?

上東氏が先日訪れた物件では、80代の女性が室内で死亡していた。寝室の窓ガラスは不自然に斜めに割れていて、レスキュー隊か警察官が突入した形跡が見て取れた。

作業を依頼した親族は「コロナではない」と言い張ったが、死因や死亡場所などを聞いても、話が二転三転して不自然な点が多く、いまだに死因がコロナだった疑いは晴れていないという。

私がいくつかの特殊清掃業者を取材した感触では、お部屋で亡くなった人が実はコロナ陽性者だったにもかかわらず、それをひた隠しにする心無い遺族や大家や管理会社も多く、「コロナの陽性隠し」も現場では横行している疑いが濃いという実感がある。そのような現状があることから、上東氏や塩田氏らは、どの現場も最初からコロナであることを前提で、清掃作業に臨んでいるという。

高齢者の生活支援サポートを行っている民間団体LMNの遠藤ひでき代表は、コロナ禍における高齢者の孤立の現状について、こう話す。

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