顔が載っている写真を投稿することに対して抵抗感はあるのだろうか。その点についても聞いてみたところ「抵抗感はありません。でも、顔が写っている写真を投稿するかどうかの基準は、写真に写る全員の顔が盛れているかどうかで判断しています」という。
もし仮に自分だけが盛れている写真を投稿してしまった場合、周りの友人やフォロワーから、自己中心的な性格の人であると思われてしまう可能性がある。そのような状況を避けるために、近年の若者はつねに周りの様子をうかがいながら自己主張のスタイルを自分なりに工夫しているのかもしれない。
都内私立大学に通うKさんは、トレンドに敏感で旅行好きな女子大生だ。この写真は、そんな彼女が昨年、ディズニーランドに行った際に撮ったものだ。最近の若者たちのディズニーの楽しみ方の1つとして、ファンキャップと呼ばれる大きな帽子を被り、顔を伏せて撮るポーズがはやりつつあるのだ。
彼女はその狙いについて「インスタでよく見るポーズで、せっかくディズニーに来たからにはやってみたいなと思いました。ファンキャップ自体上から撮らないとかわいくないなとも思いました」と語ってくれた。
普段から顔が写った写真は使わないのだろうか。尋ねてみると、「以前は載せていましたが、最近控えめです。ほかの人の投稿を見て、顔が前面に写っていると自己主張の激しい印象があるので、自分の投稿は顔をあまり写さないようにしてます」という。
今や、顔が写った写真の投稿はむしろ“自己アピールに必死な人”というマイナスイメージすら抱かれるものとなりつつある。その中で、デザインがかわいいファンキャップは、顔を隠しながらインスタ映えできるということで、多くの若者たちが利用しているのではないだろうか。
あえて顔を写さないのがオシャレ
都内の私立大学に通うMさんは、友達とカフェ巡りにいくのが趣味の女子大生だ。彼女は友達と写真を撮る際に、よくiPhoneで顔を隠しながら鏡越しに撮影しているという。
彼女にその意図を聞いてみると、「丸い顎とかポイントで隠せてかわいく映えるし、何よりこの鏡越しの構図自体が普通の自撮りよりおしゃれなイメージがあったのでやってみました」という。
顔が写っている写真への抵抗感について聞くと、「あります。自撮りだとどうしてもアップになる一方で、鏡越しにすることで引きの構図になって顔に視線が行きづらくなるし、写真全体の世界観を伝えることができるかなと思います」と答えてくれた。
今の若者は、むしろ顔を映さない写真に対して、写真全体の雰囲気を伝えることができる写真として、オシャレなイメージを持っていたりする。今後は鏡越しでの撮影に見られるように、顔を隠しながら世界観を伝えるための構図がより工夫されていくのではないだろうか。
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