コロナ禍で露呈!「名ばかり共働き」世帯の現実 フルキャリ活かす「共働き2.0」社会の実現へ

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大きな変化が起きた後の個人や組織の心境や行動の変化を理解することに使われる「Change Curve」というモデルがあります。

「Change Curve」では、何か大きな変革が起きた後の個人の心理や行動は、時間とともに、大きく分けて、「ショック・否定(ステージ1)」から「怒り・落ち込み(ステージ2)」、そして「受容・統合(ステージ3)」へと移行するとされています。

家庭のニューノーマルの実現へ

新型コロナウイルス感染拡大で急な対応を迫られた在宅勤務、加えて臨時休校・臨時休園といった突然の環境変化はわれわれに大きなショックに与え、怒りをももたらしました。そのことで、とりわけ子育て期の共働き世帯では「これでは仕事が続けられない」と肩を落とした人もいたと思います。

我々は今、前述した3段階で言うところのステージ1からステージ2を経験しているのだと思います。この状況をいったん受け入れ、どのような共働きスタイルを再構築できるか、私たちは今ステージ3に移行できるかどうか問われているように思います。

コロナ禍を経て、日本の「名ばかり共働き」が、互いに支え合い、互いの仕事・キャリアと家族生活双方の希望を実現できる「真の“共“働き」へと移行できれば、それこそ各家庭のニューノーマル(新たな状態・常識)の実現です。

共働きに限らず、今回を機とした家庭ごとのニューノーマルがより多く実現することは、少子化克服、労働力確保、社会保障維持といった中長期的課題としてわが国に依然として残る課題解決にもつながるものと考えます。

武田 佳奈 株式会社野村総合研究所未来創発センター上級コンサルタント

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たけだ かな / Kana Takeda

2004年、慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程を修了。同年、株式会社野村総合研究所に入社。以来、官公庁の政策立案支援、民間企業の事業戦略立案や新規事業創造支援などに従事。2018年4月より現職。専門は、女性活躍推進や働き方改革などの企業における人材マネジメント、保育や生活支援関連サービス産業など。著書に『モチベーション企業の研究』(共著、東洋経済新報社)、『東京・首都圏はこう変わる! 未来計画2020』(共著、日本経済新聞出版社)がある。

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