コロナ禍で露呈!「名ばかり共働き」世帯の現実

フルキャリ活かす「共働き2.0」社会の実現へ

一方、今回のコロナ禍は、雇用環境の悪化にもつながっています。

国や企業による雇用確保に向けた早急な取り組みが必要です。そのうえで、今回の新型コロナウイルス感染拡大に限らず、経済の不透明感がますます強まる中においては、家庭ごとに、より家計の安定・生活の安心を実現する取り組みを模索していく必要性を再認識した世帯も多かったのではないでしょうか。

なかでも、希望する夫婦においては、夫婦それぞれが働いて、ともにできるだけ安定した収入を得るような共働きを実現、継続できることも有効な手段の1つになります。筆者はこの共働きスタイルを「共働き2.0」と呼び、その実現がこれからの現役世代の長期的な家計の安定、ひいては国が抱える課題解決に有効だとして、国や企業に子育てしながら働く現役世代に向けたさらなる環境整備を求めてきました。

今こそ共働きスタイルの再構築を

共働きを希望する夫婦であったとしても、どのような共働きスタイルを選択するかは夫婦の選択です。しかし、先に述べたように、「フルキャリ」志向の働き手が増えていることから考えると、夫婦がそれぞれの仕事での貢献や活躍にも挑戦し、家庭生活にも前向きに取り組もうとする共働きスタイルを希望する人は、今後増えていくと考えています。

とはいえ、とくに子育て期において、夫婦がともに働きながら子育ても行っていくことは、以前と比べ格段に環境が整ってはきたとはいえ、決して容易ではありません。経済と社会保障の担い手である現役世代の仕事と家庭の両立実現に向けて、国や企業によるさらなる環境整備が重要です。

他方で、当事者としてできることとしては、今回の新型コロナ感染拡大対策によって増えた家族で過ごす時間を有効に活用すべきだと考えます。

野村総合研究所が5月末に実施した調査によると、新型コロナウイルス感染拡大以降、家族で過ごす時間が増えたとする人は7割(72.4%)にのぼりました。その中で、新型コロナウイルス感染拡大以降、配偶者と今後の働き方や暮らし方を話し合う時間が増えた人は3割強で、7割近くは話し合いが増えてはいませんでした。

これまで、働き方改革が進展中だったとはいえ、わが国の現役世代の多くは家族とともに自宅で過ごす時間が限定的で、働き方や暮らし方などを夫婦で話し合ったり、見直す余裕がない世帯も少なくなかったと思います。

日頃はなかなかゆっくり話し合う時間の取れない共働き世帯だからこそ、新型コロナウイルス感染対策によって増えた家庭での時間は、チャンスでもあります。夫婦でどのような共働きスタイルを実現することがそれぞれの希望により近づけるのか、そのためには互いにどのように支え合っていけばよいのかを改めて話し合うことが有効でしょう。

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