――国産・輸入車を問わず、中古車価格が下落しています。買い替え時の金銭的負担が増えることになり、新車販売への悪影響が懸念されます。
中古車輸出が減少したことで価格が下がっているが、一時的なものだと考えている。そもそも中古車価格は株価のようなもの。上がり下がりを繰り返し、相場がどうなるかは読みにくい。足元の下取り価格が下がって多少の買い控えもあるかもしれないが、ベンツはもともとの価値が高いので、大きな影響はないと思う。今回は不況になったと言うより、新型コロナの感染拡大で人々の行動や経済活動が一時的に止まった。いずれ中古車価格も元に戻るはず。
ニューノーマルへの対応が重要
――リーマンショックや東日本大震災の時にも輸入車の販売は落ち込みました。当時との違いは何ですか?
東日本大震災については影響が地域的だった。少なくとも当社に関して言えば、西日本での販売は通常通りで、震災のあった2011年は会社としては前年以上の台数を販売できた。一方、リーマンショックの時は全国的に大きな影響が出て、年間で1万台も販売が減った。
全国的に影響が出ている点では、今回はリーマンショックの時と同じ。ただ、リーマンの時は明らかな不況で需要と供給のバランスが完全に崩れたが、今回は感染拡大を避けるための外出自粛が一番の理由なので、状況が戻れば販売も戻りうる。
あとは経済がどうなるか。今後どういった経済政策が打たれ、どう効いてくるかが重要だ。消費者マインドというのはとてもデリケートなもの。経済まで悪くなって需要が崩れてしまうと、販売回復には時間がかかる。
――緊急事態宣言の解除後は、販売も一定程度は戻ると見ていますか?
ある程度はそうだと考えている。ただし、ワクチンが開発されるまでは本当に収束することはない。となると、ニューノーマルへの対応が重要。接触を減らす売り方、買い方がスタンダードになっていくだろう。例えば、オンライン上で店舗の混雑状況の確認や、来店予約が行えるシステムがある。こうした、来店を増やすための従来型のオンライン利用ではなく、来店をしなくても済むためのオンライン活用が必要になってくる。やり方を変えなければ元の水準に戻ることはない。
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