ベンツの国内販売4割減!「輸入車業界」の苦悩 上野社長が明かすコロナで変わる「販売手法」

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新型コロナウイルスの影響を大きく受けた輸入車業界。販売首位のメルセデス・ベンツも4月の売り上げは前年同月比37%減だった(編集部撮影)
Audiが66%減、BMWは41%減――。4月の輸入車業界の新車販売台数は、ドイツ系をはじめとするほぼ全メーカーが前年同月実績から激減した。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛などが響き、輸入車全体の新車販売は前年同月比で37%落ち込んだ。
輸入車ブランドで国内販売台数7年連続1位のメルセデス・ベンツも例外ではなく、4月の販売台数は前年同月比37%減だった。コロナ によって経済環境が悪化する中で、輸入車の中でも特に高級車は販売不振の長期化が懸念されている。
業界の当事者たちは、今回のコロナ影響をどう受け止め、危機をどうやって乗り切ろうとしているのか。日本自動車輸入組合の会長も務める、メルセデス・ベンツ日本社長の上野金太郎氏に聞いた。(※インタビューは5月13日にオンラインで実施)

販売減でも健闘といえる

――輸入車の中でも特に価格が高い高級ブランドは4月の販売不振が顕著でした。

緊急事態宣言の発令で外出が減ったことが大きく影響している。販売店も時短営業を余儀なくされているし、来店されるお客さんの数が大幅に減っている。特にふらっと立ち寄る方がいなくなり、新規のお客さんを取れない状況だ。正直、足元は厳しい。

ただ、今みたいな環境でこの台数が販売できたのは、むしろ健闘と言ってもいい。ひとえに販売店の地道な努力のおかげだ。メルセデス・ベンツは約7割がリースやローンで購入されているお客さんで、リースの満期や支払いを終えるタイミングで一定の買い換え需要がある。コロナ騒動下でも既存のお客さんをしっかりフォローしていたからこそ、4月の落ち込みがこの程度で済んだ。

――高額な輸入車の販売は、国産車以上に厳しくなっていくのでは?

輸入車のお客さんはすでに一定の価値がある車を持っていて、それを下取りした分を元にして買う人が多い。当社の販売車種の内訳を見ても、価格レンジが低めの車種しか売れなくなっているといった変化は起きていない。ただ、経済的な影響が今後出てくる可能性はある。3年リースの人やローンを完済した人が乗り換えない、といったことが起きるかもしれない。そこは注視していく。

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