ベンツの国内販売4割減!「輸入車業界」の苦悩 上野社長が明かすコロナで変わる「販売手法」

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信頼の構築もより重要になる。人の感覚は不思議なもので、相手によってコロナ感染の警戒度が変わる。例えば、私はよく行くレストランのテイクアウトは安心して利用できるが、ほかの店では買いにくい。妻は顔なじみの宅急便の人が来ても平気なのに、よく知らない来客には(感染を)警戒する。このお店、ブランドなら大丈夫と、受け入れてもらえる存在にならないといけない。

多くの「無理」「無駄」に気づかされた

――コロナ収束に時間がかかるとすれば、どうやってこの厳しい環境を乗り切るつもりですか。

外出自粛が長引けば、販売店はかなり厳しくなる。今できることをやっていく。各販売店とネット会議を通じて細かな対応策を詰めている。むしろ連絡はより密になった。しっかりとお客様を迎える体制を作っていく。

コロナショックに直面した企業の最新動向を東洋経済記者がリポート。上の画像をクリックすると特集一覧にジャンプします

メルセデス・ベンツ日本は7年連続で輸入車販売台数1位を維持してきたが、普通ではない状況下なので、4月は1番じゃなくてもいいと思っていた。販売会社の人間として台数を追いたい気持ちは当然のもの。だが、今大事なのは目の前の台数を追いかけることではない。台数を追いすぎると全体像が見えなくなる。重要なのはしっかり状況に対応することだ。

自動車業界はデジタル化が遅れていた。今回のコロナ騒動で紙のカタログ、来店での販売主体で本当にいいのかなど、多くの「無理」「無駄」に気づかされた。販売店の中にはLINEで月6台売ったベテランの営業担当者もいる。デジタル化へと一気に切り替える契機にしたい。リーマンショックで学べなかったこと、元のやり方にこだわるバイアスをとっぱらって、変化に対応していくつもりだ。

中野 大樹 東洋経済 記者

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なかの たいじゅ / Taiju Nakano

大阪府出身。早稲田大学法学部卒。副専攻として同大学でジャーナリズムを修了。学生時代リユース業界専門新聞の「リサイクル通信」・地域メディアの「高田馬場新聞」で、リユース業界や地域の居酒屋を取材。無人島研究会に所属していた。趣味は飲み歩きと読書、アウトドア、離島。コンビニ業界を担当。

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