75歳以上の免許返納率上昇も地域差拡大の現実

現行の認知機能検査にはさまざまな課題も

歩行者を巻き込んだ死傷事故をきっかけに、高齢ドライバーに関する議論が活発になっています。現行制度の問題とは(写真:ニングル/PIXTA)

2019年は歩行者を巻き込んだ高齢ドライバーによる死傷事故が複数報道され、社会的に大きな関心を集め、高齢ドライバーに関する議論が活発になっています。高齢ドライバーに対しては、免許の自主返納の推進や免許更新時の検査の厳格化が進められてきました。

今回は、高齢ドライバーによる事故の現状と免許返納状況、免許更新制度の変遷を紹介したうえで、現行制度の問題について考えてみたいと思います。

2019年5~7月は交通事故の死者数が大幅に減少

警察庁交通局の「道路の交通に関する統計」によると、月別の交通事故による死亡者数は、いずれの月も年々減少傾向にあります。とくに、2019年の5~7月は、2018年までと比べて大幅に減少していました。

(出所)警察庁交通局「令和元年における交通死亡事故の特徴等について」を基に筆者作成

免許保有者10万人当たりの年間死亡事故件数(原付以上、第一当事者)の推移を見ると、20歳未満と75歳以上のドライバーで多く、75歳以上のドライバーでは年齢とともに増加する傾向があります。しかし、2019年は、前年と比べて全体では0.38件の減少にとどまったのに対し、85歳以上のドライバーによる事故は4.71件と、ほかの年代と比べて大幅に減少していました。

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