75歳以上の免許返納率上昇も地域差拡大の現実 現行の認知機能検査にはさまざまな課題も
ただし、免許返納率には地域差があります。都道府県別の75歳以上の返納率は、最高が東京都の9.29%、次いで大阪府の8.24%、神奈川県の7.75%と、大都市で高くなっています。
返納率が最も高い東京都の免許返納数は、2019年4月までは継続して月3000~4000件ペースでしたが、5月以降は少なくとも半年にわたって6000~7000件に増加したと報告されており(時事ドットコムニュース「池袋暴走後、免許返納2倍に 都内で3万8000人―高齢者交通手段に課題」2019年11月12日)、池袋で起きた事故が影響を与えたと推測されます。
返納率の高い地域と低い地域の差が拡大
2018年から2019年の75歳以上免許返納率の伸びを、2018年返納率の上位5都府県(東京都、大阪府、兵庫県、神奈川県、静岡県)の平均と、下位5県(高知県、茨城県、山梨県、岐阜県、長野県)の平均で比較すると、上位5都府県が+0.86ポイント上昇していたのに対し、下位5県は+0.61ポイントにとどまり、返納率が高い地域と、低い地域の差は、拡大傾向にあります。
日々の生活における車の利用状況が地域によって異なることが、返納率の地域差を生む要因になっていると考えられることから、車を利用しなければ生活しにくい地域で、いかに長期にわたって安全に運転できるようにするのかが課題となっています。
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