保険嫌い夫婦が悩む「急病で生活破綻」の確率 健保のみでは補えない長期休職が増えている

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病気や事故は忘れたころにやってくる。「サラリーマンは社会保険が手厚いし、共働きなら民間保険は不要」というのは本当か?(写真:Ushico/PIXTA)

「保険にだまされたくない!」

筆者はファイナンシャルプランナー(FP)としてライフプラン相談をお受けしていますが「保険にムダなお金を払いたくない」という人が少なくありません。最近、保険業界の不祥事が続いているので、警戒心を強くする気持ちもわかりますが、万一のときの保障がないというのは考えものです。

「マネーセミナーだというから行ってみたら、『保険で貯蓄もしよう』などと外貨建て保険の話ばかり……。保険を売りたいというのがあからさまで、嫌気が差したんです」

という理由で筆者のもとに相談に来た、若い夫婦のケースからお話しします。

「生命保険も医療保険も不要」という会社員夫婦

「私たちにはまだ子どもがいません。だから保険はいらないと思っています」

夫婦2人とも健康に問題なく、それぞれ会社勤めをしていますから、万一のことがあっても経済的に困ることはなさそうです。したがって、「生命保険」は「お子さんの予定ができてから、改めて考えればいいでしょう」となりました。

では「医療保険」はどうしましょうか?と水を向けると、

「病気になっても高額療養費制度がありますし、会社員は傷病手当金が出ると聞きました。保険屋さんが『でも差額ベッド代は実費になるよ』などと医療保険を勧めてきましたが、私たちは個室とかにこだわらないので、医療保険もいらないんです」。なるほど、2人でしっかり勉強しています。

ただ、ちょっと知識が大ざっぱに思えたので、おさらいをしました。2人の健康保険証を見ると、ご主人が協会健保で、奥様は組合健保に加入しています。ご主人の月の医療費の上限は約9万円。一方で奥様のほうには高額療養費制度に付加給付があり、実際の医療費の自己負担は2万5000円でした。組合健保の付加給付については気づかなかったようで、ご夫婦は手厚い保障に感動していました。

厚生労働省の調査では、病気になっても入院する日数が短くなっているとの報告があります。平均在院日数は30日を切り、30代の在院日数は15日程度というデータもあります。実費で負担すると高額になりがちな差額ベッド代も、自ら望んだ場合にかかるお金ですから、2人が言うとおり、それをカバーするために医療保険に入る必要性は低そうです。

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