私立と公立「教育格差」、長期休校が映した現実

浮き彫りになったICT教育の遅れを挽回せよ

コロナ禍だからこそわかった決定的な弱点を克服する必要がある(写真:yongshan/PIXTA)

突然ですが、クイズです。

日本全国の小中学校のうち、「私立+国立」の割合は、それぞれ次のどれだと思いますか?

①2%  ②8%  ③15%  ④30%

私立・国立の小中学校が全体に占める割合は?

私立中高一貫出身者の友人A氏は、「え? この選択肢の中に答えあるの? 半分くらいじゃないの?」と答えたが、正解は、小学校が①2%、中学校は②8%。「私立+国立」は、日本全国の小学校19,892校のうちの301校、中学校10,270校のうちの851校にすぎないのだ(文科省ウェブサイト「文部科学統計要覧(平成31年版)」参照)。

ちなみに私がクイズを出してみた限り、私立や国立の中高一貫出身者の中でこの数字を当てられた人はいなかった。

ただ、A氏を(そしてもしかすると不正解だった読者のあなたを)世間知らず、と責めることはできない。というのも特に東京都心部においては、私立・国立中学の受験は盛んで、1年のずれはあるものの、公立小学校6年生と中学1年生の人数を比較すれば、おおよそどの程度が私立や国立に進学しているかは見て取れるだろう。

(外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

さらに、これらの中高一貫出身者は、大学や職場では、「周囲の多くが私立・国立の中高一貫校出身者」という環境が続いていた。例えば東京大学の2020年合格者数ランキングをみると出身校トップ10のうち、すべてが私立か国立の中高一貫校である。ちなみに早稲田大学は合格者トップ10のうち9校が、慶應義塾大学は、うち8校が私立中高一貫校である。これらの大学からの省庁や大手企業への就職者は多く、政官財における影響力を持つ。

そんな私立校と一般的な公立校の間で、このコロナ禍において学力格差が広がりつつある。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって3月2日から、全国の9割以上の小学校、中学校、高等学校など(以下「学校」とする)が一斉に休校した。連休明けから1割程度の学校が授業を再開。5月25日には緊急事態宣言が全面的に解除されたため、6月からは全国の学校で本格的な再開となりそうだ。

長期休校期間中、私立の多くは、このコロナ休校下でオンラインを活用したホームルームや授業に取り組んでいる。首都圏模試センターが行ったアンケートによると、回答のあった私立中学校100校中64%がオンラインによるやりとりをしていると回答した模様だ。

その一方で、オンライン化を進めた公立は5%に過ぎない(4月16日時点、休校中または休校予定の1213自治体についての文科省調べ)。また、家庭によっては受験塾や家庭教師のオンライン授業で勉強しているという声も聞こえてくる。

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