これから婚活するあなたに--白河桃子の「誤解された婚活」・婚活ブームを検証する 第4回(全4回)

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●日本は、女性の社会進出が進まなかった珍しい国

 ほかの先進国(フランス、北欧、米国)などを見ると、いずれも以下のシフトが起こっている。
専業主婦時代(1960年代)

女性の社会進出および中流男性の没落(1970年代から)

家計を支えるため共働き家庭
 それと同時に、女性の社会進出に伴い、手厚い手当で社会が子育てを負担する仕組みも発達してくる(米国は除く)。その変化に応じて、結婚の基盤も、以下のようにシフトしていく。
経済的安定

経済+情緒

情緒的安定
 つまり「恋愛、男女関係が基本のカップル」という考え方である。

 日本はすでに、男性の収入だけでは一家を養えない中流男性の没落が起きているのに、女性の社会進出は進まなかった珍しい例だ。働く女性が増えるほど子供も増えるのが先進国のケース。

 日本は、女性の社会進出が進まず、少子化が進んだ珍しい例なのである。

●出産した女性の7割が退職する

 その原因としては、保育所の待機児童の状況などを見ると、仕事と子育ての両立が困難なことが挙げられる。

 大企業のような手厚い、両立支援制度の恩恵を受けている人はごく一部。中小企業ではリーマンショック以降「育休切り」が発生しているし、そもそも未婚女性の5割を占めている非正規社員には、そのような制度はない。

 出産した女性の7割が退職するように、日本では女性の継続就業の困難さがある。

 また女性たち自身の意識も「困難な社会進出」を望まなかった。それは「お財布は妻が持ち、夫はお小遣い制」という日本、韓国、台湾にしか見られない特有のシステムである。

 「えっ、欧米ではお小遣い制じゃないの? もっと早くに知ればよかった」

 40代の男性がため息をついていたが、欧米では妻も「自由になるお金」が欲しかったら、働くしかないのだ。

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