これから婚活するあなたに--白河桃子の「誤解された婚活」・婚活ブームを検証する 第4回(全4回)
しかし、せっかく正社員だった人も子育て後の復帰となると非正規社員、パート主婦とならざるをえない。転職も多く、男女ともに経済的に安定しないことが、結婚難の要因となっている世代だ。
ここまでの世代を見てくると、結局、派遣社員、一般職、総合職でさえ、すべての職種の女性が「いずれ結婚する=夫が家計を担う」が前提の働き方となっている。産まれた時から不況しか知らないU29世代には、わずかに変化が見られる。
(4)U29世代
そんな先輩たちを見て、いまの20代女性たちは「早婚・早期出産志向」だ。
「30代からバリバリ仕事をするために、いま結婚して子供を産んでおくんです」というのは、「やりたい仕事」や「生涯続けたい仕事」についている女性が多い。
一方、やりたい仕事に就けなかった女性たちは、さらに「早く結婚してかわいいママになりたい」と「専業主婦願望」を抱く。
主婦はデフォルト(初期設定)で、ほかの何かを求めたアラフォー世代と違い、この世代の女性たちにとって専業主婦はあこがれの地位であり、仕事は「生活のためにやらなくてはいけない苦行」なのかもしれない。上の世代が「仕事」「結婚・子供」を手に入れるために、すごく苦労しているのを見て、迷わず「結婚・子供」を選びたいと思っているのだ。
特筆すべきは、仕事をしたい女性もしたくない女性も、「早婚・早期出産志向」にシフトしていること。
そして一部ではあるが、現実的な結婚観、働き方を志向する女性たちも出てきている。
「一生働きたいから、体力的にきつい総合職よりも一般職を選びました」
そう話す29歳女性は「損保系の正規一般職社員」。腰掛けといわれた一般職が、いまや「女子一生の仕事」である。彼女は結婚が決まっており、同じ年齢のサラリーマンと結婚し、出産も、恵まれた大企業の制度を目いっぱい活用して乗り切り、定年まで働くつもりだ。
太く短い働き方」から「細く長い働き方」に、女性の仕事観も変わってきている。
この世代は男性もワーク・ライフ・バランス重視で、男子の3割が一般職希望(リクルート 2009年就活動向より)。こうした男性たちが「草食系」などと呼ばれるのだろう。
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