出社したくない気持ち縛る「かくあるべし思考」 どうしても行きたくない時の考え方・動き方

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思い切って1週間休んでみる

体も心も疲れたら、思い切って1週間休むことをおススメします。

『会社に行きたくない。さて、どうする?』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

有給休暇などを利用して、その1週間を好きなように過ごしてみてください。

精神療法の森田療法では、神経症などの入院治療において、1週間は何もさせないという方法をとります。何もしないで1週間を過ごすことで、不安だった自分とは違う自分を体験してもらうのが目的です。

この考え方では、会社から離れて何もせずに1週間を過ごすと、働いているときに感じていた不安や焦りなどを感じなくなります。

代わりに、「何かしたい」という人間本来の欲望がよみがえってきます。休むことで再び目覚める「何かしたい」欲望は、気持ちが前向きになっている証しなのです。

「いざとなれば辞めればいい」

「1回きり」という発想を捨てる

日本人は何事も「1回きり」という発想をしがちです。「チャンスは1度しかない」と決めつけ、「これを失敗したら終わりだ」ぐらいに思っている人が結構います。しかし、例えば就職を「1回きり」と捉えたら、会社で働くのがどんなにつらくても辞められません。合わない職場も、嫌な上司もすべて受け入れてガマンしなければなりません。

「1回きり」の思考をやめましょう。会社も嫌なら辞めればいい。「嫌なら辞めればいい」と考えたら、むしろ逆にちょっとのことならガマンできるようになるのではないでしょうか。嫌な上司であれ、嫌な仕事であれ、ずっと続くと思うからガマンするのがつらくなるのです。「いざとなれば辞めればいい」と思えれば、そのストレスやプレッシャーはだいぶ減るでしょう。

「働く」ことを見直す

日本人は、有給休暇をとることもままならず、夏季休暇もせいぜい1週間、短い場合は2日、3日ぐらいしかない人も多いでしょう。それは自ら望んだことではなく、周りがそうしているから、自分もそうしているだけで、できることならもっと休みたいはずです。

ならば、もっと自分の欲望に忠実に生きたらどうでしょうか。「会社に行って働くのが当たり前」「週5日働くのが当たり前」「1日8時間働くのが当たり前」といった固定観念は捨てるべきです。1つの働き方や従来の枠組みに自分をはめる生き方は、もうやめてもいいのではないでしょうか。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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