学校再開後、子どもの学習方法はどう変わるか 共有、体験、ITツールで学びは新しくなる
星山先生:「親子で生命のあるものを育てる」こともおすすめです。植物の種をまくことや、小さな動物を飼うのもいいです。ひとつの命を育む過程を親子で一緒に共有するだけでさまざまな学びになります。
また、子どもに“今夜のご飯”を任せてみるのもよいでしょう。どんな材料が必要か調べて調理し、後片付けやゴミ出しなども経験させたいところです。親御さんが「こうしなさい」と指示するのではなく、一緒に考え、体験しましょう。
低学年の生活科や高学年の総合などで学ぶ内容は、今のライフスタイルそのものです。こういう状況ではどのようにすればよいのか、優先順位はどちらかを体験を通して総合的に学んでいくことができます。これは、ある意味では“学びのあるべき姿”だと思います。
学びもコミュニケーションもオンライン化が加速
星山先生:今回の件では、大人の働く現場でもオンライン化が進みました。子どもの社会も例外ではありません。自宅に、子どもが使えるパソコンやタブレット、通信環境が備わっているどうかが重要になってきます。また、パソコンやアプリケーションをいかに使いこなせるかが学習保障とリンクしていますから、学力格差という意味でいうと、パソコンやタブレットがあるかないかで大きな差を生んでしまうかもしれません。
そして、今、子どもたちにとっていちばん必要なことは、お友だちとのつながりや仲間づくりだと思います。学校再開の準備として、ZoomやSkypeなどのオンライン環境を、周囲の大人が技術的にサポートして、友だちや仲間とのつながりを確保してあげることで、学校再開後の人間関係がスムーズになるのではないでしょうか。
お互いの家を行き来できない、大勢で集まることのできない今だからこそ、今だからできること、楽しみ方を見いだして、新しいコミュニケーションツールや、新しい学び方、新しい家族のあり方を考え出していくこと。これからのキーワードは「新しさ」なのです。
(取材・文/保坂宏美)
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