「遊ぶ子」と「忙しい子」自己肯定感に出る大差 子どものスケジュール詰め込み過ぎに注意
子どもは遊んでいるとき、落胆に向き合ったり、注意力を保ったり、世界の意味を理解したりという、「自己肯定感」につながるさまざまな資質を伸ばすための練習をしている。感情を整えてキレない力と立ち直る力をつけ、思いどおりにいかないときのいら立ちに耐える能力を伸ばしている。
親たちに遊びについて、そして自由時間とバランスの取れたスケジュールの重要性について話すと、「理想論ね。じゃあ、あなたたちの子どもの場合は、どう対処しているの?」と、必ず尋ねられる。
できれば1つの活動に集中させていたいが…
この本の著者の1人であるティナは、子どもを持つ前に、「母親になったら子どもには1度に1つの活動しかさせない」と決めていた。スケジュールが詰まりすぎている子どもがいかに疲弊しているかを耳にしていたからだ。そういう子どもたちは家族と過ごす時間がなく、消耗してしまい、親に熱心に勧められたなんらかの活動を嫌うようになる。
すべてなるほどと思えたので、ティナは子どもがダンス教室に通いたがったら、その教室が終わるまでは、それだけをやらせることにした。スポーツをやりたがったら、シーズンが終わるまでは、ほかのことはやらせない。子どものスケジュールを詰まりすぎにはしないつもりだった(子育て本の作家であるわたしたちは、架空の子どもたちに対しては、つねに理想的ですばらしい親になれるのだ!)。
長男が生まれると、ティナは息子が手にできる、ありとあらゆる機会と、息子が示すありとあらゆる興味を目にした。
ほどなく“1度に1つの活動”の公約は試練にさらされた。ティナと夫は、息子にピアノを習ってほしかった。ところが彼は、学校の友だちといっしょにカブスカウト(ボーイスカウトの幼年部門)に入りたがった。さらに、運動競技への熱中が明らかになり、毎シーズン、あらゆるスポーツをやりたがった。
ピアノ。カブスカウト。スポーツ。それに遊びの約束、宿題、家族の外出を加えたら、どうやってすべてを予定表に組み込めばいいのだろう? そして今では3人の子どもがいて、それぞれが自分の機会と情熱を手にしている……!
もう1人の著者、ダンも、自分の子どもたちで同じ経験をして、音楽の演奏とバレーボールの試合でたくさんのわくわくする日々を過ごした。それは子育てにはつきものだし、子どもたちにこれほどたくさんの多様で楽しい選択肢があることには感謝している。