「アルピーヌA110S」乗ってわかったスゴい実力 この復活フレンチスポーツカーは大人に似合う

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ヘッドランプの内側にあるキャラクターランプがオリジナルA110を彷彿させる(写真:LEON編集部)

スタートは1950年。最初はクルマ好きの趣味だろうと思われていたアルピーヌ車ですが、1962年に現在のA110のオリジンともいえる、A110を作り上げました。リアエンジンのシャシーに、軽量なFRP製のクルマ好きのココロを直撃するカッコいいボディーを被せたスタイルでたちまち話題に。

クルマ好きによる、クルマ好きのためのクルマ

でもカッコだけではありません。オリジナルA110は、世界ラリー選手権でも優勝し、ルマン24時間レースも制覇してしまったのです。自動車好きオヤジだったレデレさんの面目躍如ですね。

レデレさんはお父さんが始めたお店でルノー車を販売する一方で、自分でチューニングした車両でレースに出走。腕前もよかったようで、ミッレミリアというイタリアのレースではクラス2位に入賞したりしているんです。

ついでだから記しておきますと、レデレさんがアルピーヌA106をパリの自動車ショーで発表したのは1955年。ボディーはミケロッティ(フェラーリ、マセラティ、トライアンフなどスポーツカーのボディーデザインを手がけてきたカロッツェリア)がデザインしていました。

このオリジナルのA110はいまに至るまで、世界中の自動車好きの憧れの1台です。あいにくFRP製なのでボディーが割れたりと経年変化に強くなく、せっかくのフランス製スポーツカーなのに、ポルシェのように多くの個体がいまもクラシックカーイベントで活躍というわけにはいかないようです。

シフトはパドルで(写真:LEON編集部)

オリジナルと同じような操縦する喜びをいま再び、と始まったのが、現在のA110のプロジェクトです。当初ルノーでスポーツモデルを手がけるルノースポールは、英国でスーパーセブンなどを作るケイタラム(日本ではケイターハムと呼ばれてます)との共同でアルピーヌ社を立ち上げました。

最終的にルノーはケイタラムが所有していた50パーセントの株式を取得し、アルピーヌ社は100パーセント、ルノーの子会社に。そのような経緯をたどった後、発表されたのが、この新しいA110なんです。

そのとき開発の指揮をとっていたデビッド・トゥイッグ氏は、現在、南京に本拠をおく中国のBEVのベンチャー、バイトンに引き抜かれてチーフテクノロジーオフィサーになっています。

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