フランスのスポーツカーブランド、アルピーヌが日本市場に復活した。新型はかつての名車と同じ「A110」というネーミングで、昨年春のジュネーブ・モーターショーで発表された「プルミエール・エディション」がまず50台限定で販売される。
20年以上のブランクを経て甦った
ブランド復活に合わせて組織されたアルピーヌ・ジャポンが発表会場に選んだのは駐日フランス大使公邸。これだけでも力の入れ具合が伝わってきた。
前作にあたるA610ターボが生産を終えたのは1995年だから、アルピーヌは20年以上のブランクを経て甦ったことになる。では誰がこの復活劇を指揮したか。それはカルロス・ゴーンCEO(最高経営責任者)と考えるのが自然だろう。ゴーンCEOは2007年、アルピーヌ・ブランド復活に言及しており、しかもアライアンスを組む日産自動車からは同年「GT-R」が登場しているからだ。
1999年のルノー日産アライアンス結成とともに来日したゴーン氏はまず日産COOに着任し、2年後CEOになった。GT-Rはその年の東京モーターショーにコンセプトカーとしてお披露目され、6年後に市販を果たした。2005年からルノーのCEOも兼務するゴーン氏が、GT-Rと同じようなルノーのイメージリーダーの必要性を考え、アルピーヌに白羽の矢を立てたのではないだろうか。
たしかにアルピーヌには復活の価値があった。
1955年に創設されたアルピーヌは、フランス北西部の港町ディエップでルノーのディーラーを営んでいたジャン・レデレ氏が、当時のルノーの大衆車4CVをベースに製作したスポーツカーA106を起源としている。
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