アルピーヌ「A110」、華麗すぎる復活劇の全貌 仏のスポーツカー、日本に50台限定で見参

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サスペンションはレーシングカーでは定番となっているダブルウィッシュボーンという形式を前後に採用。ここもアルミを多用して軽さに配慮している。

こうした内容を持つプルミエール・エディションの価格は790万円。50台限定でハンドル位置は左、色はブルーのみだ。販売は7月10日までオフィシャルウェブサイトと全国14店舗の正規販売店で申し込みを受け付け、申し込み数が50を超えた場合は15日にフランス大使館で抽選を行うという。

量産車も導入される見込み

プルミエール・エディションに続いて量産車が導入される見込みで、ベースモデルとなる「ピュア」と上質な仕立てを施した「レジェンド」が予定されている。こちらについては年末までにアナウンスされるようだ。おそらくブルー以外のボディカラー、右ハンドルも選べるようになるだろう。

気になるのはアルミ製プラットフォームをゼロから起こし、生産のために数百万ユーロの投資をしていることと、わが国の正規販売店がフランスの19店舗に匹敵する14店舗に達していることだ。

採算を考えれば単一ボディは考えにくい。旧型A110にも存在したオープンボディや4人乗りクーペが、同じプラットフォームから登場するかもしれない。かつてのアルピーヌはルノーの大衆車5(サンク)の高性能版も販売しており、ルノースポールとは違う実用的なスポーツモデルも予想できる。

まずはA110をきっちり売ることが先決ではあるが、ゴーン氏がゴーサインを出したわけで、GT-R並みに注目を集めるスポーツカーブランドに育てるべく、綿密な計画が立てられているのではないかと筆者は考えている。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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