大問題の普天間基地移設、経緯をあらためて復習する(その2)
だが、今回の議決でわかるように、沖縄県議会では県内移設に反対する県政野党が多数派を占めており、また、普天間を抱える宜野湾市長も県内移設に強硬に反対である。ある意味ねじれていると言える。
一方、新政権が普天間基地移設計画の見直しに触れたことにより、沖縄県民の中でも「県内移設は容認すべきではない」との意見がだんだんと強くなりつつあるという。これにより10年、来年に選挙を控えた県知事と名護市長は普天間基地移設について態度を変える可能性が指摘されているようだ。
政権交代の影響
さて、沖縄の県民世論に大きな影響を与えたのが、09年8月総選挙で民主党が大勝し政権交代が起きた事実である。特に、この衆院選では県内移設反対派の候補者が沖縄の全選挙区で勝利したのである。この影響は大きいものがある。
ちなみに、民主党は、2005年に作成した「民主党沖縄ビジョン」ですでに普天間基地の県外または国外への移設を訴えていた。が、2009年の衆院選マニフェストには普天間基地移設問題に具体的には言及せず、一般論として「日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」とだけ記していたのである。
マニフェストには明記されていなかったが、鳩山政権は、普天間基地のシュワブ沿岸への移設計画の再検討を行うことを公表した(ちなみに、鳩山内閣の閣僚の発言は一致していないとよくマスコミに指摘されているが、先日、渦中の北沢防衛大臣と話したところ、鳩山首相、岡田外相とは頻繁に意思の疎通を行っているとのことであった)。