大問題の普天間基地移設、経緯をあらためて復習する(その2)
在日米軍基地と自衛隊の基地・体制の見直しは連携している
なぜ、アメリカ政府は普天間基地の移設計画の実施にこだわるのか?
これは、前回も書いたが、普天間基地移転の問題は、米軍にとって沖縄だけの問題ではないためである(このことが、あまり報道されていないように感じられる)。
普天間基地移設の問題は、在日米軍全体の再編と大きく関係しており、また、在日米軍の再編計画は、自衛隊と米軍の連携強化を目指し、米軍だけでなく自衛隊の基地・体制も再編することになっていることを忘れてはならない。
ちなみに、普天間以外の在日米軍基地の見直しは以下のようになる。
・在日米空軍司令部のある横田基地には、航空自衛隊航空総隊司令部が移転。
・在日米陸軍司令部のあるキャンプ座間には、陸上自衛隊中央即応集団司令部を配置。
・厚木の空母艦載機の岩国基地への移転。
・神奈川県の相模補給廠やキャンプ座間の一部返還。
・在沖海兵隊約8000 人がグアムに移転(移転の対象は司令部やロジスティクス部隊であり、戦闘部隊ではない)。
そして、大切なことは、日米の合意文書には「個別の再編案は統一的なパッケージ」と明記されていることである。このため、普天間基地移設問題が進展しなければ、海兵隊のグアム移転など在日米軍基地の見直しも遅滞する可能性もあるのだ。