生前贈与税を下げ、若い人におカネを渡そう 草食投資隊が考える成長戦略②

✎ 1〜 ✎ 17 ✎ 18 ✎ 19 ✎ 最新
拡大
縮小

中野 奨学金の返済を滞納している人が増えているじゃないですか。借りたものはきちっと返済するという意識も、定着させる必要がありますね。

藤野 そうですね。ただ、この仕組みはあくまでも銀行からお金を借りるということになりますから、奨学金に比べて返済に対する意識はかなり変わってくるでしょう。仮に返済できなかったとしても、国が保証しているわけですから、銀行にとっては何のリスクもないわけです。

それに、100人が100人、全員返済不能になるわけではありませんし、返済できない人はほんの一部だと思います。国が保証しなければならない額は、たかが知れているでしょう。それ以上に、得られる効果の方がはるかに大きくなるはずです。

個人投資家にコツコツ投資を説く「草食投資隊」の地道な活動が、いま実り始めている(セゾン投信社長中野晴啓さん(左)、コモンズ投信会長渋澤健さん(中)、レオス・キャピタルワークスCIO藤野英人さん(右)

渋澤 税制については、キャピタルゲイン課税の税率を30%にするなどという目先のやりくりに拘泥するのではなく、資金循環を促すために、思い切って現預金の相続税率100%、生前贈与の税率を10%にする。

NISAの恒久化は20~30代を先行する。高校生の海外留学を奨励するための予算を作る。そして、国の保証を付けて、大学生が授業料を銀行から借りられるようにする。これが草食投資隊の提案する成長戦略ということかな。

藤野 そうですね。やらないよりもやった方が良いのですから、まずはアクションを起こすことです。

中野 じゃ、これを近いうち、政府に提案しましょう。

渋澤 で、その反応などを、このコーナーで公表すると。

藤野 いいですね~。政治家の方にも入ってもらって、草食投資隊の座談会にしましょうか。

渋澤中野 賛成!

草食投資隊 渋澤 健、中野晴啓、藤野英人

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

そうしょくとうしたい

コモンズ投信会長・渋澤 健、セゾン投信社長・中野晴啓、レオス・キャピタルワークス社長CIOの藤野英人の3氏で結成。根底には、「長期投資を根づかせたい」という3人の熱い思いがある。「草食投資隊」という名前は、投資=肉食系というイメージが一見つきまとうが、本質は違うのではないか、という3人の共通の考えによる。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT