生前贈与税を下げ、若い人におカネを渡そう 草食投資隊が考える成長戦略②

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渋澤 一方、NISAは早期に恒久化されるべきですが、現状では「お金持ち世代」の60代が全体の65%を占めて、これからの「お金育て」が大切になる20~30代が8.6%に留まっているということを考えると、20~30代を先行して恒久化すべでは。決して、「お金持ち優遇」にはならないので。

中野 ただ、財務省がなかなかアグリーしないでしょう。

藤野 でも、これをやれば景気が回復するので、財務省にとって念願の消費税率10%を実現できます。もし、金持ち優遇という批判をかわしたいのであれば、生活保障の引き上げをセットにするという方法もあります。まあ、ここは説得の世界で、高度な政治決断が求められるのは事実です。

中野 まさに損して得取れですね。

起業家が育つ環境を作れ

藤野 かつ、おじいさんが大金持ちのお友達がいたりすると、起業家にとっては、とても良いことが起こります。

渋澤 それは?

藤野 にわかお金持ちになったお友達から、出資を受けられるかも知れない。

中野 草食投資隊としては、860兆円もある現預金をいかに有効な使い方ができるかという点について、これからも考えていく必要がありますね。

藤野 あともうひとつ。日本を劇的に変えることができる成長戦略があります。

渋澤 それは?

藤野 高校生を国費で留学させるのです。

中野 若いうちに海外を見てくるというのは良いことですね。

藤野 留学期間は1年程度。それでも若いうちに海外で生活し、さまざまな刺激を受けるというのは、非常に大きな効果をもたらします。年間の経費が1000万円だとして、2万人の子供を海外に送り出したとしても、年間の費用なんて2000億円程度じゃないですか。

次ページ2000億円は一見、巨額のように見えるが・・
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