前編 大きく改正される相続税制

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縮小

平成25年税制改正により、相続税がかかる人が増えると言われています。しかし、「何をどうしたらよいのかわからない」という声も多いようです。
 このたび東洋経済新報社から『遺す人も遺される人も知っておきたい 相続の教科書』(三井住友信託銀行・著)という書籍が出版されました。執筆者である同行の財務コンサルタント・長沢峰己氏から、相続をスムーズに進めるためのヒントをご紹介していただきます。

都市圏の退職層は要注意

平成27年1月1日から相続税制が大きく改正されます。中でも、影響が大きいものに「基礎控除額の縮小」が挙げられます。
 従来は相続財産から「5000万円+1000万円×法定相続人の数」を差し引いた残りに対して相続税がかかっていたのですが、これが6割(3000万円+600万円×法定相続人の数)まで引き下げられます。

つまり、4人家族で配偶者と子ども2人が相続する場合、8000万円まで非課税だったものが、4800万円を超えると相続税の課税対象になるということです。
  東京、大阪、名古屋の3大都市圏にお住まいになっている方で相応の退職金をお受け取りになった方の場合、基礎控除額を意外と簡単に上まわってしまう可能性があります。その意味では、首都圏にお住まいの一般的なサラリーマン家庭にも影響がでてくることが十分に考えられます。

とはいえ、無闇にあわてる必要はありません。相続は人生の中で何度も経験するものではないため、不安に思われるのも当然でしょうが、まずは「相続が起きるとどういうことがあるのか」を知っておくことが大切です。財産を遺す方・遺される方の双方が認識を深め、準備しておくことが安心の相続につながります。

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