中国「新車販売台数」、22カ月ぶりプラスの背景

大型トラック好調、乗用車は外資系が優位に

4月の新車販売台数は商用車の好調で22カ月ぶりのプラスに転じた。写真は中国第一汽車集団の大型トラック工場(同社ウェブサイトより)

中国の自動車業界に久しぶりの朗報が届いた。5月11日、中国汽車工業協会(訳注:中国の自動車メーカーの業界団体)は4月の新車販売台数が前年同月比4.4%増の207万台だったと発表。2018年後半から前年割れが続いていた月間販売台数が22カ月ぶりにプラスに転じた。

とはいえ先行きを楽観するのは早い。中国汽車工業協会副秘書長の陳士華氏は、4月の販売台数が前年同月より増加した背景には複数の特殊要因があると見ている。例えば昨年4月は、一部の省や直轄市で2019年7月から排ガス規制が強化される影響を見極めようと、多くの消費者が新車を買い控えていた。一方、今年4月は中国国内の新型コロナウイルスの流行が落ち着き、2~3月に我慢を強いられていた潜在需要が「解放」されたからだ。

コロナ流行が長期化すれば2020年通期は25%減も

車種別では乗用車よりも商用車が好調で、4月の販売台数は前年同月比31.6%増の53万4000台と過去最高の水準を記録した。なかでも大型トラックは19万1000台と同61.0%も増加。興業証券の5月8日付の調査レポートによれば、大型トラックの需要は(中国政府の公共インフラ投資拡大などを追い風に)物流向け、建設工事向けともに伸びており、5月の販売台数も前年同月比プラスになる可能性が高いという。

一方、乗用車の販売台数は前年同月比2.6%減の153万6000台と、減少幅は3月より大きく縮小したもののプラスに転じるには至らなかった。注目すべきなのは、外資系合弁メーカーのブランドと中国独自のブランドで明暗が分かれたことだ。ドイツ系や日系のブランドが市場シェアを延ばすなか、中国ブランドの4月のシェアは34.6%と2014年7月以来の最低値を記録した。

本記事は「財新」の提供記事です

市場の今後を占ううえで不確実要素になっているのが、海外の新型コロナの動向だ。流行が長引いて世界経済が冷え込めば中国の輸出産業への打撃が深まり、関連産業の従業員の所得が減少、中国国内の自動車販売も間接的な影響が避けられない。中国汽車工業協会副総工程師の許海東氏は、海外での新型コロナの流行が落ち着けば2020年通期の新車販売台数は前年比15%の減少ですむが、流行が長期化すれば同25%減少すると予想する。

(財新記者:鄭麗純)
※原文の配信は5月11日

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