窮地のゲーセンが3700万の支援獲得できた理由 コロナ禍で売上は「平常時の30%」まで落ちた

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しかし、ミカドならではの懐かしいレトロゲームのプレイ動画や名物店長やスタッフの掛け合い、有名プレイヤーによる超絶プレイ動画など、さまざまな手段を用いてファンを楽しませています。ファンはその動画が面白いかどうかより、動画を再生することで店側が広告収入を得られるのであれば、観て支援したいと考えるわけです。

つまり演劇も本番だけでなく、役者や演出家の会話であったり、練習風景であったり、オフショット的なものを配信すれば、ファンは支援したくなるのではないでしょうか。平田オリザ氏も「演劇は、稽古もしなければならないので、再開が相当遅れます」と言っていますが、その稽古すらファンを楽しませるコンテンツとして考えることもできるはずです。

ファンビジネスの今後のあり方

クラウドファンディングにしてもコロナ禍終息後の演目の入場料の先取りだけでなく、演目後にアフターパーティーをとり行い、スタッフやキャストと一緒に集える場を作るなど、さまざまな手段でファンにアピールすることはできるのではないでしょうか。

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コンテンツの代価として入場料を払う人は多くいますが、ファンともなれば、コンテンツ以上に存続してほしいという側面があり、そこに支援をしてくれるわけです。毎日ラーメンは食べられないのでお気に入りのラーメン屋に月1回しか行かないけど、ラーメン屋が潰れないように毎日食べるぐらいのお金を支援したい、という人がいるということです。

先の演劇界の巨匠たちの発言が演劇界全体の意見として取り上げられていますが、演劇界の中にも動画配信をしたり、クラウドファンディングを活用している人たちもいます。巨匠たちの発言は、そういった行動をする演劇界の人たちを否定することにもなりかねません。

今、コロナ禍でどの産業も厳しい状況に立たされている中、ファンビジネスはファンから支援してもらえる可能性がある分、ほかの産業よりも恵まれているともいえます。国に新たな負担を強いるのであれば、ファンに支援してもらえるようなことを率先して行い、国に頼らずに資金援助を受ける方法を考えるほうが建設的ではないでしょうか。

岡安 学 デジタルライター

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おかやす まなぶ / Manabu Okayasu

eスポーツを精力的に取材するフリーライター。ゲーム情報誌編集部を経て、フリーランスに。さまざまなゲーム誌に寄稿しながら、攻略本の執筆も行い、関わった書籍数は50冊以上。現在は、ウェブや雑誌、ムックなどで活動中。近著に『みんなが知りたかった最新eスポーツの教科書』(秀和システム刊)、『INGRESSを一生遊ぶ!』(宝島社刊)。@digiyas

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