コロナが露わにしたビッグ・データという幻想

ポスト・グローバル化時代の「生命」と「情報」

しかし新興国が台頭し、国内経済にも多くの問題が生じ始める中、TPP離脱や移民規制など、まさに「グローバル化」に背を向ける政策を本格化させようとしているのである。

イギリスを含め、ある意味でこうした政策転換は“都合のよい”自国中心主義であり、グローバル化で“得”をしている間は「自由貿易」を高らかにうたって他国にも求め、やがて他国の経済が発展して自らが“損”をするようになると保護主義的になるという、身勝手な行動という以外ない面をもっているだろう。

「ローカル化(ローカライゼーション)」が進む時代へ

しかし他方で、私は以上とは別の意味で「グローバル化の終わりの始まり」がさまざまに見え始めているのが現在の世界であり、今後はむしろ「ローカル化(ローカライゼーション)」が進んでいく時代を迎えると考えている。

すなわち、環境問題などへの関心が高まる中で、「地産地消」ということを含め、まずは地域の中で食糧やエネルギー(とくに自然エネルギー)をできるだけ調達し、かつヒト・モノ・カネが地域内で循環するような経済をつくっていくことが、地球資源の有限性という観点からも望ましいという考え方が徐々に広がり始めている。

言い換えれば、およそ「グローバルな問題」とされていることの実質は、結局のところ資源をめぐる紛争やエネルギーの争奪戦なのであり、だとすれば、できる限り「ローカル」なレベルで食料やエネルギー等を自給できるようにすることが、「グローバル」な問題の解決につながるという発想である。

私が見るところ、こうした方向がかなり浸透しているのはドイツや北欧などの国々であり、これらの地域では、「グローバル経済から出発してナショナル、ローカルへ」という方向で物事を考えるのではなく、むしろ「ローカルな地域経済から出発し、ナショナル、グローバルと積み上げていく」という社会の姿が志向され、実現されつつある。

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