新型コロナウイルス流行後の中国経済の回復が遅れるなか、中古車取引最大手の車好多集団が戦略投資家から「輸血」の獲得に成功した。5月6日、ソフトバンク・ビジョン・ファンドとセコイア・キャピタル・チャイナから追加で2億ドル(約212億円)を調達したと発表。2019年2月にソフトバンク・ビジョン・ファンドから15億ドル(約1593億円)を調達したのと合わせて、同社のシリーズDの資金調達は総額17億ドル(約1805億円)に達した。
車好多の説明によれば、中古車取引やアフターサービス事業は景気循環の影響を受けにくく、(新型コロナの影響による)不況への抵抗力が強いという。追加調達した資金はアフターサービス事業の拡大や、中古車取引の「瓜子二手車」と新車販売の「毛豆新車」という二大プラットフォームの連携強化などに投じる計画だ。
同社はもともと瓜子二手車からスタート。生活情報サイト「趕集網」の創業者の楊浩湧氏が2015年に立ち上げた後、2017年10月に社名を車好多に変更し、リース方式の新車販売を主力にする毛豆新車を追加した。2018年後半からはオフライン事業に力を入れ、現在までに中古車販売、新車販売、自動車メンテナンスなどの約600店舗を展開している。
全国2000都市への店舗展開計画を延期
しかし新型コロナの流行が中古車の需要、供給の双方に打撃を与え、特にオフライン事業はほとんど凍りついてしまった。中国汽車流通協会(訳注:自動車販売関連企業の業界団体)のデータによれば、2020年1~3月期の中古車の取引台数は200万5600台と前年同期比38.4%も落ち込んだ。
そんななか、拡大路線を突っ走ってきた車好多はにわかに資金繰りが悪化。2月28日には、従業員に対して職位に応じて2月と3月の賃金を30~50%カットすると通知していた。しかしコスト削減で生き長らえたとしても、コロナ終息後の事業再建には新たな投資が必要だ。車好多の次の一手が注目されていた。
今回の追加調達で資金繰りのメドはついたが、先行きは楽観できない。ある車好多の関係者によれば、(客足の回復が鈍い)オフライン事業の重荷を軽減するため大型店を閉めて小型店に置き換えるほか、2020年中に全国2000都市に店舗展開する計画を延期するという。
(財新記者:銭童)
※原文の配信は5月7日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら