「金価格」コロナ禍の乱高下は何を意味するのか 株価は持ち直したが楽観的な期待には疑問

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各国政府が、コロナ対策で、財政支出を大幅に拡大させました。これはほとんど国債増発によって賄われました。したがって、何もしなければ金利が上昇するはずです。

実際、日本では、3月7日頃に-0.2%付近となった直後から、10年国債利回りが上昇に転じていました。そして、3月19日には0.1%程度となりました。

しかし、実際には中央銀行が国債を無制限に買い入れるという政策を発表したために、金利は下落しています。

米連邦準備制度理事会(FRB)は、3月23日、大型経済支援策の第2弾で国債を無制限で購入するとしました。

日銀も、3月14日の金融政策決定会合で、積極的な国債買い入れを決定しました。そして、4月27日には、国債購入額のメドを撤廃しました。

こうしたことにより、アメリカ10年国債の利回りは、2月6日には1.655%でしたが、その後顕著に下落し、3月9日には0.487%になりました。その後も、0.63%程度の水準で推移しています。

日本の10年国債の利回りは、3月19日以降は低下して0%程度となって安定しましました。4月下旬以降はマイナスとなっています。

国債は国がデフォルトしない限り必ず償還される安全資産です。したがって、長期金利の低下は、安全資産の価格が上昇していることと解釈することができます。

国債も銀行預金も中央銀行券も、国家が権力によって価値を保障した資産です。

その価値が揺らいでいないということは、国家に対する信頼が揺らいでいないことの反映と考えることができます。

4月になって株価が持ち直す

ところが、以上で述べた状態は、4月に入って変化しました。

株価が持ち直したのです。

ダウ平均株価は、4月29日には2万4633ドルまで戻っています。これは、アメリカにおけるコロナ感染がピークを過ぎたという判断によるのでしょう。

そして、トランプ大統領の経済再開計画などによって、経済が将来のかなり近い時点で回復するという期待に基づくのでしょう。また、治療薬などに対する期待があるのかもしれません。

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