コロナワクチンに「最速で9月量産」という光明 英オックスフォード大学が早くも治験開始
新型コロナウイルスを止める世界的なワクチン開発競争で、イギリス・オックスフォード大学の研究所が先頭を走っている。
ほかのほとんどの開発チームが安全性を実証する数百人規模の小規模な試験からスタートしなければならない中で、同大学のジェンナー研究所はワクチン開発で好発進を切った。これまでに手がけた臨床試験で、同様の予防接種(新型コロナとは違う別のコロナウイルスに対して昨年行われたものを含む)が人間に無害であることを証明していたからだ。
アカゲザルの実験では有効
オックスフォード大学の研究者チームは5月末までに、6000人以上を対象とした新型コロナウイルスワクチンの臨床試験をほかに先駆けて行う予定になっている。安全性だけでなく、有効性も実証したい考えだ。
同大学の研究者によると、効果が確認されて当局の緊急承認が得られれば、最初の数百万回分のワクチンは9月までに利用できるようになる可能性がある。公表されているほかのいかなるワクチン研究よりも、数カ月は先を行く。
さらに今回、その有効性を示唆する明るいニュースが入ってきた。
アメリカ・モンタナ州にあるアメリカ国立衛生研究所ロッキーマウンテン研究所の科学者たちは3月、6匹のアカゲザルにオックスフォードワクチンを1回接種した。動物たちはその後、パンデミックの原因となっている大量の新型コロナウイルスにさらされた。
これにより研究所のほかのサルはどれも発病したものの、ワクチンを接種した6匹は28日以上経過した後も健康を維持していた、と実験を行ったヴィンセント・ムンスター氏は語った。
結果はまだ分析中であるとしながらも、ムンスターは「アカゲザルは人間に最も近い存在だ」と述べた。5月上旬にはほかの科学者たちと結果を共有し、その後、査読付きの学術誌に論文を提出する予定だという。