イタリアのコンテ首相は、3月11日に250億ユーロ(約3兆円)の医療・経済支援策を発表。また4月6日には、国内総生産(GDP)比の4%に当たる4000億ユーロ(約46兆円)を企業および個人事業主の支援などに投入することを決めた。
解雇手続きを一時凍結し、売り上げが減少した企業に対し2カ月の納税支払い延期や、銀行ローンの国家保証などを行う。
イタリアにはもともと、企業の業績が悪化した際に、国が従業員の給与を補完する制度がある。そのため、あずささんも「会社がいきなり倒産するかもという心配は、今のところない」という。また従業員と無期限の雇用契約を結んでいる場合、正当な理由なく解雇を行った企業は処罰を受ける。
フリーランスを含む個人事業主に対しては、4月から月600ユーロ(約7万円)を最長3カ月給付するほか、育児休暇の15日拡張やベビーシッタークーポンも発行している。ただ、あずささん曰く、「家賃や光熱費の支払いは変わらない中、仕事を失った人が月600ユーロだけで生活するのは厳しい」。
外国人であることの不安はない
数々の補償を打ち出してはいるものの、追いついていないのが現状だ。ただ、あずささんは自身が外国人であることでの不安は感じないという。
「納税していないならともかく、外国人だから行政の支援が受けられない、なんてことはイタリアではありえません。もしそんなことが起これば大問題になるでしょう。情報は政府のサイトでしっかり得られますし、会社からもつねに最新の状況が送られてくるので、その点は信用しています」
ロックダウンから7週間が過ぎた4月26日、コンテ首相は感染者と死者の増加率が減っていることから、5月4日より外出規制を緩めることを発表した。飲食店のテイクアウトや公園への立ち入りを許可し、経済活動を段階的に再開していく方針だ。ただし、遠方への移動は引き続き禁止し、学校は9月まで休校を続ける。
最後に、規制緩和についてあずささんはこう語った。
「外には出たいけど、ワクチンがない間は第2波が来るんじゃないかと不安です。亡くなった方があまりに多いので、私の周りでは制限をもっと続けた方がいいという声が多いですね。イタリアの経済活動が再開しても、他の国が動いていかない限り、以前のようには戻らないと思っています」。
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