金澤さん曰く、「英語が苦手な人や会見を途中から見た人にも、必要なメッセージが伝わるようになっています。このメッセージはYouTubeの広告にも出てきますし、あらゆる所で目に入ります」。
医療用防護服が不足しているイギリスでは、感染が疑われる場合すぐに病院へ電話せず、オンラインで症状をチェックするよう呼びかけている。大手スーパーでは朝の1時間を高齢者やNHSスタッフのみが買い物できるようにしたり、デリバリーをNHSスタッフ優先で行うなど医療従事者への支援を行っている。
政府の素早い対応に「安心感」
政府の支援が届かないホームレスや低所得者層には、チャリティー団体が食料を無料で届けるなどサポートを続けており、政府はそれらの団体にも給付金を支給する。
金澤さんは、こういった政府の素早い対応に「安心感を持った」という。補償や無料の医療サービスは、国籍に関係なく受けることが可能だ。一方で、ロックダウン前に発表された給与補償の申請が4月20日に始まったばかりのため、「給付されるまでに資金が尽きる企業もあるのでは」と懸念する。労働ビザで働く外国人は、企業が倒産すればビザも失効し行き場を失う。
イギリス政府は4月13日の会見で、感染率が下がっていないことからさらに3週間のロックダウン延長を発表した。規制緩和を急ぐと感染の「第2波が起こる危険性がある」とし、緩和のために必要な5つの条件を明示している。5月4日までに科学的なデータを元に検討し、さらなる延長が必要かを判断する方針だ。
【アメリカ】休校後すぐ始まったオンライン授業
人口3億2820万人(2019年時点)を抱えるアメリカは、感染者106万9424人、死者6万2,996人と、どちらも世界で最も多い。これまでに実施されたPCR検査数は623万1182件。死者はニューヨーク州が最多で1万8000人を超える。
トランプ大統領は3月13日に「国家非常事態」を宣言したが、外出制限や休業要請は各州の判断の元に行われている。
南部のアラバマ州で家族と暮らす大井美紗子さん(33歳)は、2月末から自主的に自宅待機を始めた。日本や中国のニュースを見て、早めの外出自粛を決めたという。周囲で危機感が広まったのは、3月13日に休校が発表されてからだった。
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