感染者の「ペット」を無償で預かるサービスとは 飼い主の「もし自分が入院したら」という不安

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「保護数は待ったなしで増えるので、譲渡だけはやめられません。里親希望の方も普段よりは少ないながら、訪ねて来られていますよ」(東京キャットガーディアン代表の山本葉子氏)

同団体の施設に常時300匹以上はいる猫の世話は、今はできるだけ人数を抑えたスタッフで対応している。やはり消毒液やビニール手袋などの物品不足に苦労しているようだ。

危惧しているのが、保護猫のさらなる増加だ。春は猫の出産シーズンのため、まさに今、生まれたての子猫が保護されているところ。3時間おきにミルクをやるなど負担も大きく、限られたスタッフでなんとか回している状況なのだそうだ。

「普通ならば6月ごろに譲渡のピークを迎えるはずですが、今の状況からでは自粛ムードは続くと思われるので、シェルターの収容力を超えてしまうのではと心配しています」(山本氏)

保護猫カフェ事業者への支援も検討

犬猫の殺処分数を減らす取り組みは近年活発化しており、ボランティア団体がホームセンターやデパートのペット関連売場と連携しての保護猫譲渡会なども各地で行われるようになっていた。しかし今はそれも中止している状況である。

また同団体と同様ボランティアに近い形で行っている保護猫カフェ事業者も、自粛、営業中止が家賃の支払いや運営費などに響き、苦慮しているようだ。

「そうした事業者のサポートができないか、相談窓口も含めて、著名人とも相談しつつ検討しているところです。まずはCat shelter AIDとして、保護猫カフェにいるような気分になれるPCやスマホ用壁紙ダウンロード販売や、保護猫カフェから動画を送れるサービスの支援を始めます。募集は5月からスタートです」(山本氏)

海外では「感染するのでは」というおそれから、動物を遺棄したり殺戮(さつりく)したりする動きがある。反対に、自宅で長く過ごす日々で、癒やしを求めてかヒヨコのパニック買いが起こったというニュースもある。

一方で、ペットをめぐる人の支援のつながりもできつつある。#StayAnicomプロジェクトにも、「自分にも何か手伝えないか」という一般人や保護団体からの問い合わせが多数寄せられたそうだ。

人も動物も同じかけがえのない命である。正しい知識のもと、他者のことを思いやりながら、自分のできることを行って乗り切っていく。新型コロナ禍では、我々のこうした力がかつてない厳しさで試されているようだ。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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