コロナで爆発した「在宅勤務できない人」の怒り

アメリカ「反封鎖デモ」参加者たちの言い分

アメリカ各地で「都市封鎖」に反対する人たちのデモが相次いでいる。参加者たちの言い分は(写真:Ruth Fremson/The New York Times)

不安といら立ちを募らせ、将来におびえる何千ものアメリカ国民がアメリカ各地で集結し、今後数週間で予定される多くの「都市封鎖」抗議デモに参加しようとしている。人口の割合としては少数かもしれない。参加理由もさまざまだ。だが少なくともその一部は、現実的かつ差し迫った声を代弁している。仕事や収入なしで自宅待機させられるのはきつい、という声だ

デモに参加する国民は少数派であり、世論調査では大多数が新型コロナウイルスの流行が収まるまでは制限措置を支持するとしている。アメリカでは新型コロナで5万人を超す死者が出ている。医療専門家は制限解除を急ぎすぎないように警告し、デモ中に感染が広がるリスクにも懸念を強めている。

「政治家はワーキングクラスの現実を知らない」

デモ参加者の多くはトランプ大統領の熱心な支持者で、トランプ氏再選に向けて保守主義的な雰囲気を盛り上げようとしている。そうした人々が、州を「解放せよ」というトランプ氏のツイートに直接反応したのだ。一部はここぞとばかりに南北戦争時代の南部連合旗(南軍旗)を振ったり、アサルトライフル(自動小銃)と弾薬を身に着けたりしてテレビカメラの注目を引きつけた。

だが、ワーキングクラスの現実を訴えようとデモに参加する人々もいる。労働者階級にのしかかるウイルスの負担は重くなる一方だが、知事たちはそうした実情を知らなさすぎると彼らは考えている。外出禁止令が長引き、休止に追いやられる事業が増える中、労働者は重い犠牲を強いられている。それなのに、政治家やホワイトカラーの専門職はささいな不自由しか感じていない、というのである。

ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー知事(民主党)が外出禁止令を5月まで延長したのを受けて、大規模な反封鎖デモが起こった。保守派の2団体がフェイスブックを使って扇動した「グリッドロック作戦」だ。同作戦は人々に州都ランシングまで車で出かけ、クラクションを鳴らして延期に抗議するよう呼びかけた。

デモを呼びかけた保守系団体の1つ、「ミシガン州フリーダム・ファンド」の幹部、トニー・ドーント氏は、トランプ政権の閣僚、ベッツィ・デヴォス教育長官を含むデヴォス家と関係が深い。ウイルスの感染が拡大する中、ドーント氏の団体は知事の外出禁止令を支持する電子メールを所属メンバーと地元紙の編集者に送付したという。しかし数週間が経過し、失業率が跳ね上がると、外出禁止令の一部緩和を望む声が増えてきた。

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