コロナで爆発した「在宅勤務できない人」の怒り アメリカ「反封鎖デモ」参加者たちの言い分

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知人の多くは悲惨な状態にある、とキャンベルは語る。知り合いの3人に1人は家賃を払ったり、食べ物を買ったりするお金もなく、すさまじい勢いで生活が困窮していっているという。「ハイテクのホワイトカラー環境にいる人々は、『〜するだけ』という言い方をする。『家で仕事するだけだ。失業するだけだ』ってね」。

しかし、キャンベルの知り合いの多くは、とてもそんなことを言っていられる状況にはない。

片田舎で起こっていることは違う

トニー・エバーズ州知事(民主党)により厳しい外出禁止令が敷かれているウィスコンシン州では、外出禁止令が5月まで延長されたことに抗議集会の参加者たちはいら立っていた。

4月18日に抗議集会が開かれたウィスコンシン州北中部のマラソン郡は大部分が農村地帯という田舎だ。新型コロナの感染者はそれまでに17人、死亡者も1人しか確認されていなかった。そのため、住民はこんな疑問を口にし始めていた。どうしてわれわれが、もっと大規模な感染が起こっているミルウォーキーやマディソンと同じ規制に縛られなくてはならないのか、と。

「大都市で起こっていることとアメリカの片田舎で起こっていることは違う」と、電気技師のジェレマイア・キャントロール(22)は言った。これまで州内で3カ所の抗議デモに参加してきたという。

公衆衛生の専門家は、田舎でも集団感染は起こり、感染を広い地域に広げるおそれがあるとして、外出禁止令の発令を促してきた。

共和党を支持するキャントロールは3週間前にレイオフ(一時解雇)された。今は経済活動が再開され、再雇用されることを願っている。彼は、エバーズ州知事が5月26日まで外出禁止を延長したとき、これはやり過ぎだと思った。「みんな生活を前に進めたがっているのに」。

4月18日にウィスコンシン州モサイニーで開かれた抗議集会「オープン・ウィスコンシン」には1000人以上が参加し、多くがトランプ支持を示す赤い帽子とTシャツを着ていた。共和党のショーン・ダフィー元下院議員も家族同伴で参加し、地元の家庭が直面している惨状について話をした。ダフィーは、生活困窮者向けの食料配布活動を手がけている。

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